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漫画で伝える「ヤングケアラー」の人生…当事者と専門家の視点から支援を訴える美齊津康弘さん

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SOSを出せない子どもたち、周りの「関心」が力になる…「48歳で認知症になった母」原作者・美齊津康弘さん(下)

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 若年性認知症の母親を小学生の頃から介護してきた体験が、コミックエッセー「48歳で認知症になった母」(KADOKAWA)になった 美齊津(みさいづ)康広(やすひろ) さんは、現在はケアマネジャーとして、介護が必要なお年寄りやその家族を支えています。幼い日の自分と同じ、病気や障害のある家族のために家事や介護を担う子どもたち(ヤングケアラー)への支援を訴える美齊津さんに、当事者と専門家の視点から、ヤングケアラーへのサポートのあり方などを語ってもらいました。(メディア局編集部 飯田祐子)

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介護保険だけでは支えられない

SOSを出せない子どもたち、周りの「関心」が力になる…「48歳で認知症になった母」原作者・美齊津康弘さん(下)

ヤングケアラーの支援を訴える美齊津康弘さん

 ――2000年に介護保険制度が始まりました。美齊津さんがお母さんを介護していた1980年代と比べて、どう変わったと感じていますか?

 家庭という閉鎖空間の中に専門家が入ってくるようになったのは、大きいですね。母を介護していた当時、私は心の中で「誰か助けてほしい」と悲鳴を上げていたけれど、誰からも手を差し伸べてもらえなかった。あの時、話を聞いてくれる専門家がいたら、どれだけありがたかったかと思います。

 ただ、ヤングケアラーに関しては、介護保険だけでは支えきれない部分が大きいと感じています。ヤングケアラーの多くは、介護保険の対象となる高齢者ではなく、もっと若い親やきょうだいの面倒を見ているのです。実際、ケアマネとして活動していても、ヤングケアラーに関わる機会は少ないですね。

家のことは話せない

 ――病気や障害を持つ家族の世話を担う子どもたちがいることが、ようやく知られるようになってきました。国もヘルパー派遣や支援体制づくりのモデル事業をスタートするなど、ヤングケアラー支援の動きが広がり始めていますが、課題はありますか。

 ヤングケアラーを巡る問題の一番難しいところは、支援すべき子どもがどこにいるか分からないことです。子どもは自分からはSOSを発することがないのです。

SOSを出せない子どもたち、周りの「関心」が力になる…「48歳で認知症になった母」原作者・美齊津康弘さん(下)

(C)Yoshida Mikiko、Misaizu Yasuhiro

 理由は、いくつかあります。まず、家族のことを人に言うのが恥ずかしい、人に知られたら、どんな反応があるか分からないので、怖いと思っている。子ども自身が、「言っても無駄」と、最初から諦めていることもあります。あとは、そもそも自分が「困っている」という意識がない場合も。物心ついた頃からそういう環境なので、これが普通だと思っているのです。

 親から「家のことは言っちゃダメだよ。言うと大変なことになるよ」なんて言われていることも多いですね。私自身、口止めされたわけではないのですが、母のことは誰にも話せませんでした。

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