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杖はどちらの手に持つの?…使い方にもポイントが
Q 左の膝が痛くて……。 杖 を使った方がいいかな。
ヨ 大丈夫ですか。痛い脚をかばっていると、もう片方の脚や腰、肩などを痛めてしまうことがあります。ぜひ、上手に杖を使ってください。
ほかにも、杖を使い始める目安として、年をとって脚力が落ちてきた時、階段を下りたり片脚で立ったりするとぐらつくようになった時などが挙げられます。「転ばぬ先の杖」という言葉通り、転倒予防の要になります。
Q どちらの手で持つの?
ヨ 左脚が痛むなら、右手に持ってください。痛む方の脚を前に出すときに体重を反対側に分散でき、安定感も得られます。両方とも脚力が落ちた状態であれば、何度か試してみて、より歩きやすい方の手に持つといいでしょう。
Q 思ってた側と逆だ。
ヨ 今春行われた意識調査で、「片方の脚が痛いとき、反対側に杖をつく」と知っていたのは、20歳以上の212人のうち15%にとどまりました。実際、街で間違った側に杖をついている人を見かけますが、歩きにくそうです。

Q 杖はどこで買えるの。
ヨ 最近は専門店のほか、デパートやショッピングセンターにも売り場があります。杖の長さは、▽手を下ろしてまっすぐ立ったとき、手首の付け根くらい▽肘を軽く曲げた状態で、20センチくらい前方に杖の先がつく――などがちょうどいいです。腕の長さや靴底の厚さも考慮してください。外出用と家の中用で使い分けている人もいます。
Q ほかに注意点はある?
ヨ T字形の持ち手は、支柱を人さし指と中指ではさんで握りましょう。杖を落とさないよう、ストラップも活用してください。杖の先端には、滑りにくいゴムなどの素材が多く使われています。定期的にチェックして、すり減っていたら交換しましょう。雪道用の先端もあります。
Q 本音を言えば、杖って「年寄りくさい」よね。
ヨ その気持ちも分かります。でも、適切に杖をつけば、バランスよく、美しい姿勢で歩くことができますよ。遠くまでのお出かけも、楽になります。今は、素材やデザインを工夫したおしゃれな杖がたくさんあります。チャップリンのステッキのように、「相棒」としての杖を楽しんではどうでしょう。(影本菜穂子/取材協力=武藤芳照・東京健康リハビリテーション総合研究所長、松田雅弘・順天堂大保健医療学部先任准教授)
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