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医療・健康・介護のコラム

身近に認知症の人がいたら、どう接すればいい?…子どもたちに理解促す取り組み広がる

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 認知症と診断された後も積極的に活動している人の話を聞いたり、ちょっとした手助けでともに生きていけることを学んだり――。子どもたちに、認知症を正しく理解する「サポーター」になってほしいと期待する取り組みが進んでいる。(田中文香、野口博文)

「語る会」で児童と交流

子ども啓発活動 各地で

6年生の児童たちと笑顔で語り合うさとうみきさん(中央)ら「DAYS BLG!はちおうじ」のメンバー(東京都八王子市で)

 「私が若年性認知症と診断されたのは、43歳の時でした。もし、みんなの家族が同じ年齢で認知症と診断されたらどう思う?」

 10月3日、東京都八王子市立緑が丘小学校の6年生約60人に、さとうみきさん(47)が問いかけると、「日常がなくなっちゃう」「大切な人がどこかに行ってしまう」と不安そうな声が返ってきた。

 「私も、最初は『人生が終わった』と思った。みんながそう思うのも当たり前だよね」と続けたみきさん。「でも、認知症と診断されてもその人は何も変わらないんだ、って覚えていてほしい」と子どもたちの目をしっかりと見つめた。

 「みきさんと語る会」は、八王子市の地域包括支援センターが同小の協力で実施する「認知症キッズサポーター養成講座」の一環で開かれた。これまでにも、みきさんがスタッフを務めている地域のデイサービス「DAYS BLG!はちおうじ」に通う認知症のメンバーたちが学校に出向き、子どもたちと一緒に駄菓子屋の体験をするなどして交流してきた。

 この日は子どもたちがみきさんに次々と質問。「認知症になって挑戦したことはありますか?」と聞かれると、みきさんは、自分と同じような状況にある当事者の相談にのる「ピアサポート」や講演などで経験を伝えている現在の活動を紹介しながら、「認知症への理解者が1人、2人と増えることが感じられるとうれしい。私だからこそできることがある」と笑顔を見せた。

 「人生の第2章が始まった。そう思えるまでに3年かかったけれど、今の自分が一番好き」。そんな思いも伝えた。

 同じものを買いすぎてしまうなど、失敗もあるというみきさん。認知症と診断されたことを周囲にオープンにしているため、「1人で買い物に行かないで」とか「外に行くのは危ない」と言われることもある。

 でも、買い物リストをスマートフォンのアプリにメモしておいたり、スマホの操作で音を鳴らせる「忘れ物防止タグ」を鍵や財布に付けたりと工夫して、診断前と同じように自分で買い物に出かけている。よく行く洋服店の人が「それ、去年も似たような服を買ってたよ」とそっと教えてくれたこともあるという。

 そんな自身の経験を紹介しながら、「いつも通りに接しつつ、ちょっと気にかけてほしい。できることを奪わず、苦手なことをサポートしてほしい。みんなの理解と、人とのつながりが、認知症の一番の薬だから」とみきさんは語りかけた。

 会の終了後、渡辺ねいろさん(12)は「みきさんは色々なことに挑戦して、『今の自分が一番好き』と話していて、すごいなと思った。自分もそういう大人になりたい」と話していた。

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1件 のコメント

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75歳で認知症と診断されたを読んだ

s54b

一人ではできないかもしれないが、家族の協力と諦めない気持ちが、症状を遅らせることにつながるようだ。すごく難しいことだけれど、寿命(限界)まで諦め...

一人ではできないかもしれないが、家族の協力と諦めない気持ちが、症状を遅らせることにつながるようだ。すごく難しいことだけれど、寿命(限界)まで諦めなければ、普通に暮らせると思う

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