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佐野史郎さん、多発性骨髄腫の闘病を語る 「病気の治療は撮影現場と同じ」で前向きに

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[俳優 佐野史郎さん](下)多発性骨髄腫 女優の妻から「気づかなくてごめんなさい」

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 血液がんの一種、多発性骨髄腫の発症を公表した俳優の佐野史郎さん。治療に向き合いながらも、俳優としての姿勢は保ち続けていたと言います。今後の俳優活動への思いを聞きました。(聞き手・山口千尋、撮影・中山博敬)

――骨髄の中で血液をつくる造血幹細胞を採取し、大量の抗がん剤で骨髄腫細胞をたたいた後、自分の造血幹細胞を移植する「自家移植」を行いました。昨年末には退院され、ロックバンド「くるり」のミュージックビデオ「loveless」に出演、草野球をする男性を演じていましたね。

 白血球の回復具合もよかったのですが、退院してからもだるさは続いていました。公園を散歩するなど少しずつリハビリをしていました。

 くるりとはデビューの頃からの付き合いなんです。病室でライブの映像を見ていました。看護師さんの中にもファンの方がいて、うれしくなってね。入院中もよく聞いていました。

 すてきな作品でした。撮影では素振りをしたり、キャッチボールをしたりしましたが、全く大丈夫でした。すごく自信になりましたね。

病気の治療は撮影現場と同じ 目的に向かって迷いはない

――2度にわたる入院、病気とどう向き合ったのでしょうか。

 医療チームは僕の病気をよくするのが目的。そう思ったら「このチームでプロジェクトを完成させよう」と考えました。ドラマや映画の撮影現場と同じです。監督、撮影技師や録音技師、助監督がいて、自分は患者の役をちゃんとやる。

 いつも撮影現場では、わからないことや興味があることはすぐにスタッフの人に質問するんです。僕は写真も好きなので絞りはどのくらいか、レンズのサイズはどのくらいだとか。それと同じように、なぜこの薬を使うのか、どのくらいの量を使うのか、どういう効果があるのか、医師や看護師さんを質問攻めにしていました。

 治療で自分の体はしんどかったけれど、日々の作業、プロジェクトは充実していて迷いはなかったですね。

――入院中も役者に徹するとは、とてつもない役者魂です。

 撮影現場だと思っているから、医療スタッフの方々の言葉や動きも気になりました。「医師が話している時に無自覚に手が動くのは何か不安を感じているんだろうな」とか、病室に入ってくる看護師さんのあいさつのトーンとか。なんでこういう言い方なんだろうって、観察していたら楽しかったです。

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