多発筋痛症 症状改善せず
4年前に「リウマチ性多発筋痛症」と診断されました。現在はステロイドとメトトレキサートを併用しています。でも、首や肩の痛みがなかなか取れず、夜中も目が覚めるほどです。症状が長引いていて不安です。(76歳女性)
リウマチの専門医受診を
舟久保ゆう 埼玉医大リウマチ 膠原 病科教授(埼玉県毛呂山町)
リウマチ性多発筋痛症は、50歳以上の中高年に発症する炎症性疾患です。首から両肩、腰、太ももなどの筋肉に痛みや、こわばりが生じます。起床時に痛みが強く、左右対称に症状が表れるのが特徴です。関節痛や、発熱、 倦怠 感、食欲の低下、体重減少などの全身症状を伴うことがあります。病名に「リウマチ」が付いていますが、関節リウマチとは別の病気です。
基本的な治療薬は、ステロイドです。少量を服用することで、早期に症状が落ち着くことが多いです。ただ、急に減薬すると、再発する場合があるので、2年ほどかけてゆっくり減らします。再発を繰り返す場合、免疫抑制薬のメトトレキサートを併用することがあります。関節リウマチの治療にも使用される薬です。
一部の患者さんは「巨細胞性動脈炎」と呼ばれる血管の炎症を合併します。また、がんに伴う症状にこの病気と似た症状があります。高齢発症の関節リウマチ、多発性筋炎、線維筋痛症など、筋肉や関節が痛くなる他の病気にも症状が似ています。
症状が改善しない場合、診断や治療の見直しが必要かもしれません。一度、リウマチの専門医を受診することをおすすめします。