【特別編】橋爪遼氏 覚醒剤で「終わった自分」だが
シリーズ「依存症ニッポン」
[俳優・橋爪遼さん](上)軽い気持ちで手を出した覚醒剤…「自分の価値」がわからなくなった
「ドラゴン桜」「1リットルの涙」など、人気のテレビドラマや映画などで、バイプレーヤーとして堅実な活躍をしていた俳優の橋爪遼さん(35)が、覚醒剤取締法違反容疑で逮捕されたのは2017年6月のこと。父親は誰もが知る名優の橋爪功さんであったことも、当時の報道を過熱させました。その後、懲役1年6月、執行猶予3年の判決を受け、すでに猶予期間が満了しています。
薬物に走り、逮捕にまで至った経緯を、今回初めて話してくれました。(聞き手・染谷一、撮影・中山博敬)
「危険ドラッグの延長ぐらい」に
――そもそも、なぜ覚醒剤に手を出したのですか?
20代半ばぐらいから、やや仕事が少なくなり、自分の価値がわからなくなっていました。それで、芸能界以外の仲間と一緒に「合法ドラッグ」と呼ばれていたものに手を出していました。当時は、まだ罪に問われなかったので軽く考えていたんです。そんな折、覚醒剤を持っていた知人がいて、合法ドラッグの延長ぐらいに思って、「いいかな」程度に軽く考えてやってみた。
――2010年代前半、まだ法整備が進んでいない時代に、「脱法ハーブ」と呼ばれていたものが、入り口になったのですね。
そうです。
――現在では「危険ドラッグ」として違法薬物ですが、それに手を出したのはなぜ?
うーん……。何も考えずに、(ドラッグの効果に)没頭できることが魅力だったのかもしれません。
――自分が思い描いていたほど、俳優としてのキャリアが順調ではなかったから?
もちろん、俳優として実力不足でしたし、新たな挑戦をするために、何か努力をしていたわけでもなかった。結局、甘かったんです。与えられた仕事を淡々とやっていただけだったから。
――それでも、「もっと、俺はやれるのに」と?
そこまでの実力があったわけではないですし、言える立場ではないこともわかっていました。だから、表に向かっては言いませんでしたが、そんな思いを内面に抱えていたのかもしれません。
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