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あんしんゼミ

医療・健康・介護のコラム

高齢者の就業者 65歳以上はどのくらい?…75歳以上では10人に1人

何歳まで働く?…元気なうちはできるだけ

 ゼミ生  アルバイト先では、高齢者が多く働いています。今の時代、何歳くらいまで仕事をするのですか。

65歳以上労働者900万人

 教授 総務省の調査によると、2021年時点で65歳以上で働いている人は、909万人でした。10年前の571万人と比べると1.6倍です。年齢層別では、65~69歳で2人に1人、70~74歳では3人に1人、75歳以上では10人に1人が働いていることになります。

 ゼミ生  どうして、高齢になっても働き続ける人が増えているのですか。

 教授 国が高齢者雇用を推進していることが大きな要因です。会社員や自営業や個人事業主など、働き方は多種多様ですが、会社などに勤めている人の場合、雇用者側には65歳まで働けるようにする義務があり、70歳までが「努力義務」になりました。

 ゼミ生  たしかに元気な高齢者が増えているように感じます。

 教授  少子高齢化で、生産年齢人口と呼ばれる15~64歳は減り続けています。労働力不足の背景にはこうした人口構成の変化があります。国は、働く意欲のある高齢者が長く働き続けられる環境づくりを進めています。原則として公的年金の受給開始は65歳ですが、長く働いた人が受給開始時期を遅らせた場合などに、割り増しした金額を支給する制度を導入しています。

 ゼミ生  高齢になっても、それまでと同じように働けるのですか。

 教授  65歳定年の企業は約2割にすぎず、多くの企業の定年は60歳です。60歳以降は、主に再雇用制度で働く機会を提供しています。同じ勤務先で働く場合は、定年前と比べて、仕事内容が大して変わらないのに、不当に給与が下がるといった課題も指摘されています。「同一労働同一賃金」の考えを雇用側に徹底することが大切です。

業務変わらず給与減少

 ゼミ生  同じ会社に勤め続けないという選択肢もありますよね。

 教授  その通りです。地域でボランティア活動に携わったり、シルバー人材センターに会員登録して、無理なく働いたりすることもよいでしょう。

 健康上の問題がなく日常生活を送れる「健康寿命」は現在、男性が72.68歳、女性は75.38歳。一人ひとりが体力や人生設計に合わせて働ける社会を、作り上げる必要があります。

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