クワマンこと桑野信義さんが語る大腸がんとの壮絶な闘い…「みんな、がん検診受けて」
インタビューズ
[ミュージシャン 桑野信義さん](上)大腸がん手術を乗り越えた僕が言いたいこと…「検診を受けていればよかった」
ラッツ&スターのトランペッターで、バラエティーでも大活躍のクワマンこと桑野信義さんは、2020年9月に大腸がんと診断されました。ステージIIIb、リンパ節に転移している状態でした。抗がん剤治療、手術を経てステージに復帰した今、「自分のような目に遭わないために、早めにがん検診をうけて」と呼びかけています。(聞き手・斎藤雄介 撮影・小倉和徳)
「がん検診から逃げ回っていた」
――がんの診断を受ける前に、予兆のようなことは感じていましたか。
便秘と下痢を繰り返すうち、トイレで血が出るようになってしまったんです。血便ですね。それでも「これは切れ 痔 」とか、自分でいい方に解釈をして検査から逃げていました。内視鏡検査も嫌だし、がんだって言われるのも嫌だったので。
これはいよいよ病院に行かなければと思ったのは、2020年9月の検査の1、2か月ぐらい前かな。家でもトイレにばかり行っていたので、妻が「病院に行って診てもらわないといけない」と忠告してくれたんです。
――がんの診断を受けて、どのようなお気持ちでしたか。
「ポリープが2、3個あるんじゃないかな」というぐらいの気持ちで受診したんです。確かに内視鏡で切除できるポリープもあったけれど、一つはステージIIIb(リンパ節に転移している状態)の直腸がんでした。
「先生、大丈夫ですよね。まだ間に合いますよね」と尋ねたら、先生は「大丈夫」とは言わず、「やってみましょう」。それを聞いて、やっぱりこれは重いのかと。
「早めに検査していれば、ここまでならなかったのかな」とも考えました。しばらく前から、トイレに困っていて、コンサート会場に入っても、最初にするのはトイレの確認という状態でした。ステージに一番近いトイレとそこまでの動線を必ず確認する。「あの時、検査していれば……」と思って後悔しました。
先生と家族と治療方針を話し合って、抗がん剤でがんを小さくしてから切除することになりました。そうすることで肛門への道筋を残せたなら、人工肛門をつけてもしばらくして外せる可能性もある。また自分の肛門を使うことができるようになるかもしれない。
ぼくの受けた抗がん剤治療は3週が1セットで、それを8セット繰り返すのが通常でした。しかし、まず4セット終わった時点で、CT(コンピューター断層撮影法)で大腸の中を見て、がんが小さくなっていたら手術するという方針になりました。
というのも、2021年4月からの鈴木雅之デビュー40周年記念ツアーに出たかったのです。4セット後の2月に手術をして、3月いっぱいリハビリ。4月からのツアーで復帰を狙ったんですね。
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