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ココロブルーに効く話 小山文彦

医療・健康・介護のコラム

【Track29】「イケボイス」も持ち前の特性 ADHDで苦労した新人介護職への復職支援

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 成人の発達障害が、職場で問題となってしまうことがあります。ADHD(注意欠陥・多動性障害)などの場合、学生の間なら日常生活でのやりくりができたものの、職場で他人との円滑な関係が求められる社会人になると、周囲と自分との違いや不和が顕在化してしまうようです。とはいえ、その人たちが「就業前には何の問題もなかったのか?」についてははっきりせず、周りの人たちとの関わりが少ない生活をしてきたのかもしれませんし、周囲から気づかれることが少ないまま成長してきた可能性もあります。

 働き始めて、周囲との連携作業が求められるようになると、多様な業務を覚えていく場面で挫折し、自信を失っていく人が少なくありません。

失敗続きだが、周囲からの好感度が高い介護職の青年

【Track29】「イケボイス」も持ち前の特性 ADHDで苦労した新人介護職への復職支援

 高齢者の養護施設で働く、新人の男性介護職アキオさん(23)が、上司に伴われて私の外来診療にやってきました。入職して3か月経っても、複数の入所者を混同するなど、注意力に問題がある様子でした。先輩が見守りながらであっても、小さなトラブルが相次ぐため、施設として、アキオさんに利用者の担当を割り当てることができず、現場に支障が出ていました。

 けれども、人柄は明るく、返事もしっかりしていて、何かを注意されれば「今度は気をつけます!」と頭を下げる素直な態度に周囲の好感度が高く、上司としては「なんとかしてやりたい」という思いで、同伴受診の運びとなったようです。

 職場では、試用期間とみなされる3か月が経過していましたが、現状の仕事ぶりでは雇用の継続は困難ではないかと考えられていました。一方で、試用期間とはいえ、施設とは正規の雇用契約を結んでおり、健康問題が疑われる状態での解雇には問題がある、との声が上がり、医師による診断が優先されたのでした。

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小山 文彦(こやま・ふみひこ)

 東邦大学医療センター産業精神保健職場復帰支援センター長・教授。広島県出身。1991年、徳島大医学部卒。岡山大病院、独立行政法人労働者健康安全機構などを経て、2016年から現職。著書に「ココロブルーと脳ブルー 知っておきたい科学としてのメンタルヘルス」「精神科医の話の聴き方10のセオリー」などがある。19年にはシンガーソング・ライターとしてアルバム「Young At Heart!」を発表した。

 2021年5月には、新型コロナの時代に伝えたいメッセージを込めた 「リンゴの赤」 をリリースした。

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