医療大全
医療大全
患者のきょうだい<1>NICU面会で絆築く
「かわいい」
3歳の女の子は、保育器に入った小さな小さな赤ちゃんにそっと触れて、ほほえんだ。
2016年9月、小沢 紬葵 さん(9)は、聖隷浜松病院(静岡県浜松市)の新生児集中治療室(NICU)で、弟の 剣備 ちゃん(6)と初めて対面した。
その1週間前、剣備ちゃんは予定日より3か月早く、身長28センチ、体重608グラムで誕生した。
母(36)は産後の病室で、紬葵さんに、弟が小さく生まれたことや、一緒に暮らせるまで時間がかかることを言い聞かせた。紬葵さんは、きょとんとしていた。弟の誕生を心待ちにしていたのに、今の状況がよくわからない様子だった。
NICUの赤ちゃんは、免疫機能が発達しておらず、感染症にかかると、命に関わる可能性がある。面会は、母のみか両親のみに限られ、兄や姉は退院時に初めて会うケースも珍しくない。
この記事は読者会員限定です。
読売新聞の購読者は、読者会員登録(無料)をしていただくと閲覧できます。
【関連記事】