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医療・健康・介護のコラム

大谷翔平選手の活躍、気がかりなこと…手術後再発率10%

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大谷翔平選手が活躍を続けるために気がかりなこと

 大谷翔平選手は30号を超えるホームランを打っています。米大リーグで2年連続30本以上のホームランを打ったのは、日本人選手で初めてのことです。これだけでもすごいことですが、野球の神様と称されるベーブ・ルース以来の記録である「投手として2桁勝利」「打者として2桁本塁打」を達成し、通算400奪三振、100本塁打という記録も樹立しました。そして大谷選手はまだ現役選手です。今後さらにどのような記録が生まれるのか、楽しみでなりません。一方で懸念材料がないわけではありません。スポーツドクターとしては、2018年に受けた肘の 靱帯(じんたい) 手術が気になるのです。

トミー・ジョン手術後の平均キャリアは4.7年

 大谷選手が受けたのは肘の内側側副靱帯再建術、通称トミー・ジョン手術と言って、肘にトラブルを抱えた多くの投手が受けています。手術後のデータが英文の医学誌にいくつか報告されています。2020年のシステマティックレビュー(いくつかの論文をまとめて解析した論文)では、MLB(メジャーリーグ・ベースボール)のピッチャーのトミー・ジョン手術1年後の復帰率は80~97%で、1年3か月後に元と同じレベルに復帰した率は67~87%と報告されています*1。成績が安定している手術だと言えます。

 また、別の報告では、手術を受けたあとのキャリアは平均4.7年であったと報告されています*2。ただ、データを集めた時点で現役を続けている選手も含まれていることや、キャリアの長さは肘の状態だけでは評価できない様々な要因があるため、この数字をどう捉えるかは難しいところです。

 プロのスポーツ選手における平均という値は、必ずしも個々の選手に当てはまるわけではなく、ひとつの参考値にしかなりません。ましてや二刀流という規格外の選手である大谷選手については、こういったデータを当てはめることに大きな意味はないかもしれません。

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大関 信武(おおぜき のぶたけ)

 整形外科専門医・博士(医学)、読売巨人軍チームドクター、日本スポーツ医学検定機構代表理事、日本スポーツ協会公認スポーツドクター

 1976年大阪府生まれ、2002年滋賀医科大学卒業、14年横浜市立大学大学院修了。15年より東京医科歯科大学勤務。野球、空手、ラグビーを経験。スポーツ指導者などへのスポーツ医学知識の普及を目指して「スポーツ医学検定」(春、秋)を運営している。東京2020オリンピック・パラリンピックでは選手村総合診療所整形外科ドクター。

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