医療大全
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がん患者会 家族も支える<3>親の病気 絵本で伝える
「もしも、お母さんが病気になったら、教えてほしいと思いますか?」
7月上旬、長崎県佐世保市の市民活動交流プラザの一室。NPO法人「葵会」代表の吉村市代さん(66)は、集まった3組10人の親子と絵本を朗読した後、そう問いかけた。
この絵本は、親ががんになった時、子どもにどう伝えるかをテーマとした「おかあさん がんってなあに?」。乳がんを経験した吉村さんが知人の体験も参考に物語を考え、同会メンバーでイラストレーターのさきほさんが、色鉛筆の優しいタッチで24枚の絵を描いた。
絵本作りのきっかけは2018年2月、市内の病院の公開講座で、「がんチャイルドケア」という、がんの親を持つ子どもと家族を支える活動を知ったことだ。
がんと診断されると、幼い子どもに伝えるか悩む親は多い。講座では、医療ソーシャルワーカーで、この活動を行うNPO法人「Hope Tree」代表の大沢かおりさんが「心配させたくないと隠しても、子どもは普段と違う何かを感じ、余計に不安になる」と事実を伝える意義を指摘。伝え方や、子どもの心のケアプログラムを紹介した。
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