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医療・健康・介護のコラム

セックスレスだけど子どもが欲しい 保険適用になった不妊治療を検討するカップルに伝えたいこと 

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セックスレスだけど子どもが欲しい 不妊治療が保険適用になり検討を始めたカップル

 不妊の定義は、避妊をしないでセックスしているのにもかかわらず、1年以上妊娠しないカップルをいいます。しかし、不妊カップルのなかにはセックスレスが原因となっている人も少なくなく、人工授精あるいは体外受精で子どもをもうけたセックスレスのカップルもたくさんいます。

 Kさんは26歳の時に、5歳年上の夫と結婚しました。2人が出会ったのはKさんがまだ大学生の時。サークルのコンパでOBだった夫と隣の席になったことがきっかけで付き合うことになりました。2人は偶然出身地が同じだったこともあり、夏休みは一緒に帰省するなどして両家公認となり、4年間の交際を経て結婚することになりました。

生活サイクルの違いや仕事の忙しさから回数が減り……

 ところが、金融業に勤めるKさんとIT企業に勤める夫とは、なかなか生活のサイクルが合いませんでした。それでも、週末は2人で休みをとれるように調整し、一緒に出掛けたり旅行に行ったりしていたそうです。

 しかし、その頃からKさんの悩みは始まりました。それはセックスレスです。「結婚してからセックスの回数がすごく減りました。付き合っていた頃は、デートのたびに泊まりに行ったりしていたのですが。週に1回、あればいいほう。こちらから誘っても、疲れているようであまり乗り気じゃない様子です」

 もしかしたら、自分に女性としての魅力がなくなってしまったのかと、思い悩んだ時期もあったそうです。輪をかけて2人とも仕事が忙しくなり、週末も残業が入り、一緒に過ごす時間がますます減っていきました。

30歳のうちに妊娠したい まずは自己タイミング法を試してみるけれど……

 それから数年後、30歳を迎える年になったとき、Kさんに大きな心境の変化が訪れました。それは赤ちゃんです。「30歳のうちにどうしても妊娠したいと思ったんです。もともと子どもは好きだったし、最低でも2人は欲しいと思っていたから、早く産まなきゃって」。周囲の妊活情報に敏感にもなったKさん。しかし、問題はセックスレス。

 Kさんは夫に子どもが欲しいことを伝えました。夫も了解してくれ、2人で妊活を始めることにしたそうです。「検査薬で排卵日を調べて、夫に伝えてその日は頑張っていたんですがなかなか妊娠できなくて……」。自己タイミング法を試してみるものの、すぐには結果が出ず、どんどん焦ってきたと言います。

排卵日にタイミングが合わない 徹夜帰りの夫に「今からしよう!」

 やがて、段々タイミングが取れなくなってきたといいます。「仕事が終わらず帰りが遅かったり、飲んで帰ってきたり。あんまり頭にきたから、一度、徹夜帰りの夫に『私が仕事行く前に、今からしよう!』と迫ったら『疲れてるんだから無理だよ。やめてくれよ』と言われてしまいました。私だって待ちくたびれて疲れています。恥を忍んで言っているのにと思うと、悲しくて、悔しくて、大泣きに泣いて。その日は大げんかになって、しばらく口もききませんでした」

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松本 亜樹子(まつもと・あきこ)
NPO法人Fineファウンダー・理事/国際コーチング連盟マスター認定コーチ

松本亜樹子(まつもと あきこ)

 長崎市生まれ。不妊経験をきっかけとしてNPO法人Fine(~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~)を立ち上げ、不妊の環境向上等の自助活動を行なっている。自身は法人の事業に従事しながら、人材育成トレーナー(米国Gallup社認定ストレングス・コーチ、アンガーマネジメントコンサルタント等)、研修講師として活動している。著書に『不妊治療のやめどき』(WAVE出版)など。
Official site:http://coacham.biz/

野曽原 誉枝(のそはら・やすえ)
NPO法人Fine理事長

 福島県郡山市出身。NECに管理職として勤務しながら6年の不妊治療を経て男児を出産。2013年からNPO法人Fineに参画。14年9月に同法人理事、22年9月に理事長に就任。自らの不妊治療と仕事の両立の実体験をもとに、企業の従業員向け講演や、自治体向けの啓発活動、プレコンセプションケア推進に力を入れている。自身は、法人の事業に従事しながら、産後ドゥーラとして産後ケア活動をしている。

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