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「産後ケア」自治体の施設「足りない」6割…太陽生命調査

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 株式会社太陽生命少子高齢社会研究所(本社・東京、高橋秀成社長)は、自治体が実施する「産後ケア事業」について、導入している自治体とケアを利用した母親を対象にした実態調査を行った。

 産後ケア事業は、子どもを産んだ後、心身の不調や育児不安を抱える母親や子を支援するのが目的。①病院や診療所などに短期入所する「短期入所(ショートステイ)型」、②病院や診療所などに通う「通所(デイサービス)型」、③助産師などが母親の家庭を訪問する「居宅訪問(アウトリーチ)型」がある。2021年4月に施行された改正母子保健法により、事業の実施が自治体の努力義務となった。

 自治体調査は2021年11月~22年1月、太陽生命支社があるなど、計406の市区町村を対象に実施した。 調査した自治体の75%は、「短期入所型」「通所型」「居宅訪問型」のいずれかの事業を実施していた。

 事業の型式別に見ると、「短期入所型」は57%、「通所型」は56%と6割近くに上り、「居宅訪問型」は40%にとどまった。 アンケートに回答した自治体で、出産後の母親の利用実績を見ると、「短期入所型」が59%、「通所型」が58%、「居宅訪問型」が63%だった。

 「短期入所型」を導入している自治体に課題を複数回答で尋ねたところ、「自治体内に産後ケア事業を提供できる施設が足りない」が62%で最も多く、「利用料金を妥当な水準に抑えられない」21%、「産後ケア事業の周知が不十分」20%と続いた。

ケア利用の母親の7割が「うつ」に悩む

 「短期入所型」を利用した母親にインターネットでアンケート調査(22年1月実施)をしたところ、206人が回答。利用した年代は「25~29歳」が38%で最も多く、「35~39歳」19%、「30~34歳」18%と続いた。

 9割以上の母親は妊娠中や産後に何らかの心身の不調を感じており、「寝不足」33%、「うつ(産後うつ等)」24%、「腰痛」21%などを挙げる人が多かった。

 とくに、子育ての不安や負担などから、母親に起こりやすい「産後うつ」は、22%が「医師に診断された」と回答。自分自身でうつ状態を感じたり、周囲から指摘されたりした人を含めると約70%が「産後うつ」またはうつ状態への悩みを抱えていた。

 「第1子」の出産の際に「短期入所型」の産後ケアを利用した人が77%を占め、「第2子」は17%、「第3子」は5%だった。利用した理由では「子育てへの不安があった」57%、「心身の不調があった」52%、「家族の協力が得られない状態だった」16%などの順。利用した母親の約7割が満足しており(「満足」28%、「やや満足」41%)、「普通」は26%、「不満(「やや不満」との計)」は4%だった。

 詳しい内容はこちらから。

自治体向け調査結果

利用者向け調査結果

 

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