第27回口腔保健シンポジウム
イベント・フォーラム
【第27回口腔保健シンポジウム】今から始めるオーラルフレイル対策 ~私が守る! 100年health~
口の機能維持し健康保つ
「今から始めるオーラルフレイル対策 ~私が守る! 100年health~」をテーマにした「第27回 口腔 保健シンポジウム」が7月9日、東京都内で開かれ、インターネット配信も含め、約1000人が参加した。1994年に東京で開催された「世界口腔保健学術大会」を記念し、市民に口の健康への理解を深めてもらう恒例の企画。口の機能維持が全身の健康維持にも影響を与えることなどを専門家が解説した。タレントの宮崎美子さんを交えたパネルディスカッションも行われた。
パネリスト
平野浩彦 東京都健康長寿医療センター歯科口腔外科部長
大月基弘 日本歯周病学会専門医
小山茂幸 日本歯科医師会常務理事
宮崎美子 タレント
石澤典夫 元NHKエグゼクティブ・アナウンサー(コーディネーター)
主催 日本歯科医師会
後援 厚生労働省、日本医師会、8020推進財団、読売新聞社ほか
協賛 サンスター株式会社
◇参考になるウェブサイト
・日本歯科医師会「オーラルフレイル対策のための口腔体操」
https://www.jda.or.jp/oral_flail/gymnastics/
・サンスター オーラルフレイル情報サイト
https://jp.sunstar.com/oral-frail/
みんなで楽しく口腔ケア
◆小山茂幸氏
◆金本博美・山口県周南市健康づくり推進課歯科衛生士
「人生100年時代」と言いますが、実際には平均寿命と健康寿命の差が10年あると言われています。要介護の状態が10年ほど続くということです。そうなる前に健康な状態に戻れるフレイルという段階があり、そこで対策をとれば健康寿命を延ばすことができます。
さらに、その前段階にあるのが、オーラルフレイルです。むせる、滑舌が悪くなる、食べこぼすなどのささいな口の機能から衰えていき、そこからフレイルになり、さらに寝たきりへとつながっていきます。こうしたフレイルを予防するには、歯の喪失の予防、口の機能維持が重要です。
山口県は2021年から、口腔関連企業など7団体との官民連携で、県民の口腔衛生意識の向上を図る「健口スマイル推進事業」に取り組んでいます。
事業の一環として、同年6~8月、歯科医がいない同県周南市 須々万 地区で、高齢者向けの介護予防教室を開き、口腔ケアを定着させる活動を行いました。教室では、まず参加者の口腔機能を検査し、口や舌を大きく動かして「あいうべ」と発音するなどの口腔体操や、舌圧を鍛えるトレーニングをしてもらいました。
参加者の初回アンケートでは、口が渇きやすい人が42%、食後に口内に食べ物が残りやすい人が40%、口臭が気になる人が54%いました。マスク生活で、口呼吸になりやすく、口内が渇き、唾液も出にくくなるのではないかと考えています。しかし、口腔体操を続ければ、唾液が出やすくなり、のみ込む力も鍛えられると実証されました。
ただ、こうした体操は一人では続きません。定期的に集まる場を設け、皆で楽しみながら継続できる仕組みを作ることが大切です。
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