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楢戸ひかる「シニアライフの羅針盤」

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重度の認知症があっても、その人らしく生きるには…理想を実現させたオランダの村を訪ねて(後編)

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 前回 に続き、認知症がある人の介護について、オランダの取り組みを紹介します。首都アムステルダムから車で30分ほどの場所にホーゲワイという村があります。そこは、重度の認知症であっても、その人らしく生きる村として整備されています。

 ホーゲワイのシニアマネージングコンサルタント、Eloy van Hal(イロイ)さんにお話をうかがいました。

重度の認知症があっても、その人らしく生きるには…理想を実現させたオランダの村を訪ねて(後編)

イラスト:平松昭子

着替えに30分かかるなら、それでいい

イロイ: 介護施設で働いた経験がある人が、ホーゲワイでスタッフになろうとやってきた時、最初に「(介護は)しなくていいんだよ」と伝えます。

 「彼が、彼女が、何をしたいのか? 何ができるのか? それをよく観察してください。できることは、彼や彼女にやってもらいましょう」と言っています。そうすることで、その人が持っている機能を失わずに済むのです。

 従来の介護施設はシステム化しがちです。私たちは「システム化しない」ということを目標の一つに掲げました。仮に着替えに30分かかるのであれば、それでいいんです。そんな視点で、さまざまなマニュアルを作っています。

 もちろん、24時間の介護が必要な人たちばかりですから、安心安全の確保は最重要課題です。将来の展望を共有し、それを建物の設計、医療体制、スタッフの研修制度などに落とし込んだ上で、「その人自身ができることはやってもらう」という体制です。

――家の外から見ると、入居者と職員の見分けがつきませんでした。

イロイ: そうですね。従来の介護施設では「あなたはこういう病気を持っているから、(1)、(2)、(3)……が必要です」といった紋切り型のケアをしがちです。ホーゲワイのケアマネジャーは「各家で何が起こっているのか? 誰がどんな状態なのか?」という点を観察します。

 その人を見て必要なことをサポートするといったスタンスなので、ここでのケアを一概に語ることはできません。ケアや医療体制について深く、深く、3日間かけて議論することもあります。

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楢戸 ひかる(ならと・ひかる)

マネーライター
 1969年生まれ。大手商社に勤務後、90年代よりマネー記事を執筆。「誰もが安心してお金のことを学ぶ場」である「お金のリビング」を主宰。その入り口として、「ザックリ家計簿」ワークショップをオンラインにて開講中。詳しくはホームページ「主婦er」で。
 お金の記事だけでなく、「家族」や「暮らし」についてもコンテンツ更新中。

過去コラムはこちら

40代から備えよう「老後のお金」

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