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[女優 熊谷真実さん](上)浜松移住2年 友だちが一気に増え、もう東京には戻らない
東京出身の女優・タレントの熊谷真実さん。2年前、ちょうど還暦の年に元夫の実家のある浜松市に移住しました。離婚後も東京には戻らず、浜松を拠点に舞台やバラエティー番組など幅広く仕事を続けています。7月上旬、舞台出演のために東京に滞在中、浜松での暮らしぶりなどをお聞きました。(聞き手・藤田勝 撮影・小倉和徳)
畑もやりながら密なコミュニティーを作りたかった
――浜松に移り住んで2年ですね。きっかけは何だったのでしょうか。
コロナです。当時は食料難がうわさされて、コンビニで食品がほとんどなくなったり、ホットケーキミックスが手に入らなくなったりしました。「これはもう、スーパーで物を買うだけの場所にいたらいけない」という脅迫観念に襲われ、自分で畑をやるということも視野に入れながら、ご近所の人と仲良くして共同体が作れるようなところに移り住みたい、と思うようになりました。
東京はどうしてもご近所との関係が希薄になりがち。私が住んでいたところは、みなさんとてもいい方でしたけれど、やはり、もう少し密なコミュニティーを作ってみたいと思ったし、コロナで仕事が減って動きやすかったこと、地方の物価の安さなどいろいろな条件が重なり、夫(当時)の故郷の浜松に引っ越すという結論になりました。
――引っ越してみて、浜松の印象はどうでしたか。
私自身は縁もゆかりもなかったのですが、外から見ていた浜松と、住んでみて中から見る浜松は印象が180度変わりました。外から見ると東京に近い小都会みたいなイメージでしたが、実際は農業従事者もとても多く、食料自給率も高い印象です。それに自然が多くて、ストレスを軽減させてくれます。
以前から、緑の多い、自然のあるところに住むことにあこがれていました。生まれたのは東京の吉祥寺で、育ったのは高円寺や阿佐谷の商店街。下町のような人情があるところでしたが、私は体が弱く、学校を休むことが多くて、そのたびに母がよく高尾山に養生に連れていってくれました。だから、自然に親しむと体が治る、という感覚があります。
知っていますか? 浜松は日本のちょうど真ん中で、「日本の縮図」と言われています。砂丘があったり、瀬戸内海のような景色の場所があったり、小さな場所に日本の全部の景色が詰まっていると言われているんですよ。
半分都会、半分自然の暮らし 庭に養蜂箱
――私も浜松出身ですが、恥ずかしながら、それは知りませんでした。住み心地はどうですか。先日、テレビ番組で庭付きの一軒家での暮らしぶりが紹介されていました。
すごく住みやすいです。自宅は街中ではないですが、浜松駅から車で10分ぐらいのところで便利ですし、去年、庭に養蜂箱を置いたら、ニホンミツバチが来てすみつきました。今年は、箱を置く時期が遅すぎて来なかったのですが、来年もう1回チャレンジしてみたいです。
――思い描いていた通りの生活ができている?
はい、半分都会、半分自然みたいなところなので。
――野菜作りにも取り組んでいるそうですね。
はい、自然栽培を広めたいと思って仲間と共同でやっています。無肥料、無除草剤、無農薬でジャガイモ、サツマイモ、タマネギ、オクラとか、いろいろ作っています。
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