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新型コロナと熱中症 対処法は…夏場はヘルパンギーナも要注意 解熱剤はアセトアミノフェンを
新型コロナウイルスの感染者が再び急増しています。今の時期は熱中症や夏風邪にも注意が必要です。子どもから高齢者まで幅広く診療する多摩ファミリークリニック(川崎市)院長の大橋博樹さんに、新型コロナの現状や体調が悪くなったときの対応について、話を聞きました。(聞き手・利根川昌紀)
発熱と喉の痛み せきの症状も目立つ
――オミクロン株の新系統「BA・5」への置き換わりが進み、厚生労働省によると、全国の新規感染者は7月20日までの1週間で前週の1・72倍になっています。診療現場の現状を教えてください。
クリニックでは発熱外来を開設していて、1日40人を診ています。7月13日くらいから受診希望者が増え、16~18日の3連休明けの19日は150人程度になりました。定員を大幅にオーバーし、110人程度、断らざるを得ない状況でした。
第6波のピーク時の受診希望者は1日80人程度でしたので、それを大きく上回っています。近隣のクリニックも同じ状況で、焼け石に水といった感じです。個々の医療機関では太刀打ちできない状況です。
受診できない患者が多く、実際には公表されている人数より、もっと多くの感染者がいると考えています。
――患者の年齢層はどうですか。
20~30歳代が多いという印象です。ただ、全体的にボリュームが大きく、子どもや高齢者も増えています。
――今の新型コロナ感染者の症状について、特徴はありますか。
発熱と喉の痛みが中心です。同じオミクロン株でも、少し前まで主流だった「BA・2」に比べて、今流行している「BA・5」は、せきの症状がある人が多いという印象です。
また、オミクロン株では、下痢の症状を訴える人もいます。風邪の症状と非常に似ていて、風邪なのか新型コロナなのか、検査しなければ医師でも診断できません。
まず検査を 陽性なら隔離
――症状が出た場合、どうすればよいですか。
まず、新型コロナの検査を受けてください。薬局で販売されている検査キットを使ってもかまいません。ただ、陰性であっても安心できないのが今の状況です。逆に陽性であれば、医師の診断がなくても、ほぼ新型コロナに感染したと考えていいと思います。
発熱などの症状があってコロナの感染が疑われる場合、いきなり医療機関に行っても診てもらえない可能性があります。近くの医療機関を探して連絡し、受診できるかどうか事前に確認する必要があります。
――受診できなかった場合も含めて、どのように対応すればよいですか。
熱があるなら、市販の解熱剤を飲んでください。アセトアミノフェンを含んだものがおすすめです。せきがひどいようなら、市販のせき止めを服用してかまいません。
自宅で療養する場合は、できる限り同じ部屋にとどまり、極力、家族と接触しないようにしてください。換気は、2方向の窓を開けて空気の流れを作ることが大切です。
看病する人はなるべく同じ人にし、高齢者や基礎疾患がある人、妊婦にはさせないようにします。食事は感染していない家族と別々に取り、入浴する場合は、最後にします。
――重症化するリスクはないのでしょうか。
オミクロン株の場合、若くて基礎疾患がない人であれば、重症化するリスクは低いと考えられています。ただ、しゃべるのも大変なくらい息が苦しかったり、せきがひどかったりする場合は肺炎を起こしている可能性が高く、救急車を呼んでください。高齢者は、自覚症状を感じにくく、家族が病状を注意深く見守る必要があります。
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