いつか赤ちゃんに会いたいあなたへ
自身の不妊経験をきっかけに、NPO法人Fine(~現在・過去・未来の不妊体験者を支援する会~)を設立した松本亜樹子さんが、多くの当事者の声を紹介しながら、不妊を巡る社会環境や制度面の課題、夫婦の在り方などを考えます。
妊娠・育児・性の悩み
2人目不妊のつらさ 上の子は自然妊娠、子どもができない事実に向き合えない
小売業に勤めるYさんが結婚したのは30歳の時。夫は同じ会社に勤める同期で、長い交際の上での結婚でした。仕事も忙しく充実していたので、子どもの催促をする両親には「仕事に重点を置きたいから、しばらく黙って見守っていてほしい」と伝えました。
排卵日に自己タイミング法で見事に妊娠 順風満帆の日々
あっという間に月日がたち、そろそろ「高齢出産」が気になりだした頃、Yさんはこれ以上子どものことを先延ばしにできないと思い、避妊をやめて自分で排卵日を測定して自己タイミング法を取ったところ、みごと2回目で妊娠しました。
両家の両親もとても喜び、幸せなマタニティーライフを経て、無事かわいい女の子を出産できたそうです。育休明けに仕事に戻り、やりがいがあることを実感。家事や育児に積極的に関わってくれる夫とともに、まさに順風満帆の日々を送っていました。
「次のお子さんは?」あいさつ代わりに聞かれるように
やがて子どもが3歳になるころ、両親から「きょうだいはまだつくらないのか」「年が離れないほうがいいんじゃないか」と、2人目の催促がありました。保育園や近所のママ友からも、「次のお子さんは?」とか「きょうだいがいると遊び相手にもなるし、上の子がしっかりするからいいわよ」などと、軽いあいさつのように言われます。
そんなある日、娘からも「○○ちゃんみたいに妹が欲しい」と言われてしまい、胸が痛くなりました。そこでYさんは夫と話し、2人目をつくる決意をしました。
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