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なかさとみ「吉本芸人 卵子提供で2人のママに」

医療・健康・介護のコラム

不妊治療や卵子提供は誰もが人ごとではない 当事者不在の議論はもうやめよう

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誰もが人ごとではない不妊治療や卵子提供 当事者不在の議論はもうやめよう

 みなさん、こんにちは。なかさとみです。このコラムでは卵子提供について色々と書いてきましたが、最終回となる今回は「不妊治療や卵子・精子提供のこれから」について、お話ししてみたいと思います。

 生殖補助医療の力を借りて子どもを産む人が年々増えるなか、「自己の卵子や精子による不妊治療と、卵子や精子の提供による不妊治療は分けて考えてほしい」というご意見を目にしたことがあるのですが、この問題は分けて考えることは不可能だと私は思います。

 すべての女性と男性は「産めるのか? 産めないのか?」という問題を抱えています。ところが今の日本社会は「若いうちに子作りすれば、みんな産めるだろう」という考えが強く浸透しています。しかし、若くても産めずに苦しんでいる人もたくさんいます。「自分は大丈夫だ」と思っていたけれど、いざ子作りを始めてみたら、なかなか妊娠できなくて悩んでいる。このような若い女性も、実はみなさんが思っているよりもいらっしゃるのです。

ある日突然、当事者になってしまう

 男性についても、無精子症や、精子に受精能力がない方も一定数いらっしゃいます。実は誰しもが、不妊治療や卵子・精子提供と隣り合わせで暮らしているのです。しかし、そのことに気づいている人がとても少ないのです。そして、そのような性教育や情報の拡散も日本は少ないのです。だからある日突然、当事者になってしまうのです。そして日本は「ある日突然、当事者になった」人たちの受け皿がほとんどないのが現状なのです。

 自分の卵子、精子で子どもを持つことができないことについて、すべての人が自分の立場で考えてほしいなと思います。若い男女なら自分たち自身の問題として考えてほしいですし、年配の男女には、「自分の娘や息子、あるいは孫が自分の卵子や精子で子どもを作ることができなかったら、親や祖父母としてどう思うのか?」など、それぞれの立場から考えていただきたいと思うのです。

子どもを持つ他の選択肢と同等に扱われることの大切さ

 私事で恐縮ですが、7月1日発売のファッション雑誌「STORY」(光文社)のなかの「私たちのChallenge STORY」という特集ページで、通常の不妊治療で授かった方、卵子提供で授かった私、養子縁組をした方、里親になった方が紹介されました。

 卵子提供は法整備がされていないために、このような特集があっても、なかなか取り上げてもらう機会に恵まれてこなかったのですが、今回、不妊治療や養子縁組、里親と一緒に特集として扱っていただいたことに、時代の変化を感じました。このように、赤ちゃんを持つ他の選択肢と同等に扱ってもらうことはとても大切なことで、それによって卵子提供への理解が広まってゆくのではないかと思います。

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なか さとみ

 1971年生まれ。吉本興業所属芸人。2015年より不妊治療をしたが妊娠に至らず。卵子提供で2人の子どもを出産。19年1月10日、日本で初となる当事者による卵子提供自助グループ「アン・ネフェ」を発足。自身の経験をもとに発足以来、延べ200人以上の相談を受けている。

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