Dr.高野の「腫瘍内科医になんでも聞いてみよう」
医療・健康・介護のコラム
大好きなおばあちゃんががんになりました。どのように接するのがいいでしょうか?
今回も、中学生からの質問です。
私のおばあちゃんは、最近がんと診断されて、いろいろ検査を受けているみたいです。私はおばあちゃんが大好きで、今度会いに行くのですが、どのように接するのがいいでしょうか。
話を聞いてあげるだけで、つらさや不安はやわらぐ
おばあちゃんの病気は心配ですね。その病気が「がん」だというので、よけいに不安を感じていると思います。でも、大好きなおばあちゃんがいなくなったわけでも、別の人になってしまったわけでもありません。おばあちゃんはおばあちゃんのまま、変わっていません。ですので、今まで通り、普通に接するので大丈夫です。特別に身構える必要はなく、いつもと変わらず、楽しくおしゃべりして、甘えてしまえばいいと思います。
特別なことをしなければいけないと思う必要はありませんが、おばあちゃんが、つらそうだったり、不安そうだったりしたら、ぜひ、話を聞いてあげてください。「つらいね」「不安だね」と答えながら、話を聞いてあげるだけでも、つらさや不安はやわらぐものです。何かをしてあげられなくても、いつも通りそばにいるだけで十分です。がんだから特別ということではなく、風邪でも腰痛でも同じことです。
がんの話題を避ける必要もありませんし、気を使いすぎる必要もありません。どんな病状なのか、どんな検査や治療を受けているのか、聞いてみてもよいと思います。もちろん、しゃべりたくない場合もあるでしょうから、おばあちゃんの気持ちを察することも大切です。
がんのことを話さなければいけない、ということもありませんので、別の話題で盛り上がって、病気のことなんか忘れてしまうくらいでも大丈夫です。本音をぶつけあって、けんかをしてしまうのもありです。
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