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産業医・夏目誠の「ストレスとの付き合い方」

医療・健康・介護のコラム

うつ病なのにやけに快活…本人は気づきにくい双極性障害2型

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うつ病なのにやけに快活…本人は気づきにくい双極性障害2型

あかださきこ

 働く人の中で「うつ病」の診断を受ける人は少なくありません。中には、気分が高揚して活動的になる (そう) 状態とうつ状態を繰り返す双極性障害の人がいます。うつ病の治療を受けている人の6割にぶり返しがありますが、再発した時に躁状態が出る方がいるのです。活動的でしゃべりまくり、内容が攻撃的で、お金を浪費することもあります。それにあまり眠らなくても元気。

 このような症状が激しい場合、「双極性障害1型」と診断し、社会生活に支障をきたさない程度の躁症状であれば、「双極性障害2型」としています。うつ病の患者は100人のうち5人前後で、双極性障害の方は100人に1人ぐらいとされています。

「残業も疲れない」…躁状態だと本人は問題と思わない

 双極性障害は症状が軽い2型の方が多く、診断の基準は症状の持続期間が少なくとも4日間とされています。診察室で話を聞いていても気付くのが難しいところがあります。

 「最近は調子がいいですね。仕事に集中できるし、残業しても疲れないんですよ」「落ちこんでふさぎ込んでいた時期があったのがうそみたい。朝から気分が良くて、仕事や家事ははかどるし、趣味も楽しいですね」「人と話をしやすくなって、本来の私に戻った感じですね」……。

 うつ病で受診していた患者さんがこんな話をします。

うつ病と躁うつ病では合う薬が違う

 そう言われると、回復したのかなと考えたくなりますが、そうとは限らないのです。精神科医にとって、うつ病か躁うつ病かという診断が重要なのは、うつ病と双極性障害では異なる薬を使うからです。うつ病では抗うつ薬の処方が中心になりますが、双極性障害では「気分安定薬」がメインになります。双方向性(抗操、抗うつ)の作用を持ち、気分の変動を抑制し、躁うつ両病相に予防効果を持つ薬物の総称です。治療効果が高い薬剤と評価されています。二つの病気の診断を間違えると、病気が慢性化してしまう危険があります。

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夏目誠(なつめ・まこと)

 精神科医、大阪樟蔭女子大名誉教授。長年にわたって企業の産業医として従業員の健康相談や復職支援に取り組み、メンタルヘルスの向上に取り組んでいる。日本産業ストレス学会元理事長。著書に「中高年に効く! メンタル防衛術」「『診断書』を読み解く力をつけろ」「『スマイル仮面』症候群」など。新著は企業の人事や産業医向けの「職場不適応のサイン」ウェブ書籍「メンタル・キーワード療法~5分でできる簡易セラピー」。
夏目誠の公式ホームページ」「精神科医マコマコちゃんねる - YouTube

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