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医療・健康・介護のニュース・解説

オンラインで障害者スポーツのイベント続々 ボッチャ、風船リフティング、ペットボトルボウリング……

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 IT(情報技術)を活用した障害者のスポーツ交流が広がっている。新型コロナウイルス禍でスポーツイベントの自粛が相次ぐ中、当事者同士のつながりを維持しつつ、運動不足を解消する取り組みだ。

ボッチャ 秋にオンライン全国大会

障害者スポーツ IT活用で交流

車いすに乗り、オンラインボッチャを楽しむ参加者(埼玉県戸田市で)

 昨年の東京パラリンピックでも注目されたボッチャ。肢体不自由などの困難を抱える児童や生徒らが、オンラインで参加する全国大会が9~10月に開催される。

 大会を運営する一般社団法人オンラインボッチャ協会(埼玉県戸田市、大川秀治代表)では本番に向け、全国の特別支援学校などから参加チームを募って事前の練習会を開くなど、準備を進めている。

 大会では、滑り台のような装置(高さ約1・7メートル、幅約50センチ)でボールを転がすロボットを活用する。ボールを放す高さによって転がる勢いを調節し、台を左右に動かして狙った方向へコントロールする仕組みだ。

 パソコンやタブレット型端末でIDとパスワードを入力して接続すれば、マウスをクリックするなどの遠隔操作で、全国どこからでもボッチャが楽しめる。全身の筋力が徐々に衰える難病「脊髄性筋 萎縮いしゅく 症(SMA)」といった重度の障害を持つ人でも、車いすやベッド上から参加できる。

 7月下旬から同協会ホームページ( http://online-boccia.net )で参加を受け付ける。大川代表は「障害のためにスポーツを楽しんだり、仲間たちと交流したりするのを諦めず、大会への参加をきっかけに、生涯続けていってほしい」と話している。

◆ボッチャ= 重度の脳性まひや四肢の機能障害を持つ人も楽しめるよう欧州で考案された競技。白い目標球(ジャックボール)をめがけ、対戦チームがそれぞれ赤、青のボールを6球ずつ投げ、いかに近づけるかを競う。競技名は「ボール」を意味するイタリア語に由来する。

自治体主催イベントでも

 自治体主催の障害者スポーツのイベントでも、オンラインの活用が進んでいる。

 京都府は今月から、「障害者スポーツレクリエーション『オンラインパラスポーツ大会』」の前期大会を開いている。競技はお手玉ボッチャや風船リフティング、ペットボトルボウリングなど9種目。参加者には、9月30日までに自宅などで各種目にチャレンジする様子を撮影し、動画(原則3分以内)を専用サイトへ投稿してもらう。

 再生回数に加え、視聴者から寄せられる「いいね」「びっくり」などの応援ポイントを集計し、10月には上位入賞者を表彰する。後期大会も開催する。

 東京都は昨年度の障害者のスポーツ体験イベント「チャレスポ!TOKYO」で、オンライン参加も取り入れた。会場でのボッチャ体験などに加え、厚紙を筒状にした台に輪ゴムを固定し、ストローの矢をはじき飛ばして的を狙う、手製の「ストローアーチェリー」体験もオンラインで行った。今年度もオンラインを活用した障害者スポーツイベントの開催を計画している。

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