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ジャスティン・ビーバーさんが発症した顔面のまひ症状…「ラムゼイ・ハント症候群」とはどんな病気?
カナダ出身の人気歌手、ジャスティン・ビーバーさんが、顔面に 麻痺 症状が出る「ラムゼイ・ハント症候群」を患ったことを明らかにしました。どのような病気なのか、順天堂大学順天堂医院の耳鼻咽喉・頭 頸 科病棟医長、安斎崇さんに話を聞きました。(聞き手・利根川昌紀)
目に水が入っても、まぶたを閉じられない
――発症原因を教えてください。
子どもの頃に水ぼうそうにかかると、その原因となる「水痘・帯状 疱疹 ウイルス」が体内に残り、神経の中にずっと潜伏した状態になります。健康なときは、免疫機能の働きでウイルスが悪さをすることはありません。
しかし、何らかのきっかけで免疫力が下がると、神経の中に居座っていたウイルスの動きが再び活発になり、どんどん増えていってしまいます。
それが顔面神経で起こって発症するのが、ラムゼイ・ハント症候群です。ちなみに、このウイルスは、皮膚にぴりぴりとした激しい痛みを引き起こす帯状疱疹の原因ともなります。
――ラムゼイ・ハント症候群になると、どのような症状が出ますか。
顔を思うように動かせなくなります。例えば、口元がゆがんで表情をうまく作れない、顔を洗う時に、目に水が入っているのにまぶたを閉じられない、うがいをした時、口から水が漏れてしまう――といった症状が出ます。
また、耳に発疹ができる、めまいを起こす、耳の聞こえが悪くなる、といった症状が出て、激しい痛みを伴うこともあります。耳に症状が出てから、顔面神経麻痺が起こるという人も少なくありません。
――発症しやすい年齢はありますか。
加齢とともに免疫力が低下するため、発症しやすくなります。また、ストレスや過労で免疫力が低下すれば、若い人でもウイルスの活動が活発になることがあります。
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