Dr.夏秋の毒虫クリニック
医療・健康・介護のコラム
すねにナゾの水ぶくれ…かわいい猫にご用心、サンダル生足を狙うノミ
ネコノミは、犬や人の血も吸う
最近はペットブームで猫や犬を飼う人が多くなっています。室内で飼う場合は問題ありませんが、屋外に出るとなると、吸血性の虫たちが黙っていません。
特に被害が多いのが、マダニ、ノミ、蚊です。前回ご紹介したマダニに続き、今回はノミ、その中でも特にネコノミについてお話ししたいと思います。
現在、国内に生息するノミとして、ネコノミ、イヌノミ、ネズミノミなどが知られていますが、そのうち最も多いのがネコノミなのです。ネコノミは体長1.5~3mmほどの小さな虫で、猫を最も好み、主に猫に寄生して吸血しますが、犬や人間からも吸血します。
繭を作ってサナギになる
ネコノミは猫の体表面に卵を産み、その卵は地面に落ちてふ化。土の中で有機物を食べて幼虫が育ちます。そして、砂粒やゴミを集めて繭を作り、サナギになります。その後、成虫になると土の上で待機して、猫が通ると飛びついて寄生します。
ここで、小学校の理科の授業をちょっと思い出してみてください。このように、卵→幼虫→サナギ→成虫へと成長するのは、どんな生き物でしょうか? ……そうです、実はノミはれっきとした完全変態の昆虫なのです。
ただし、羽を持っておらず、太い脚でジャンプします。体長の100~200倍のジャンプができるとされていますので、地面から20~30cm上まで飛びつくことができるのです。そのため、人の場合は足元から膝付近までが集中的に刺されます。特に女性は、夏に素足でサンダルをはく機会が多く、ネコノミの格好の餌食です。
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