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HPVワクチンって何?…事実上の接種中止から9年 積極的勧奨が再開された理由とは

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子宮頸がん発症を防ぐという研究成果も

――積極的勧奨を中止してから9年たった今、勧奨が再開されたのはなぜですか。

 HPVワクチンでウイルスの感染を防いでも、子宮頸がんになる人を減らす効果がなければ意味がありません。接種開始から年数がたち、子宮頸がんになる人を減らせるという研究成果が海外から出てくるようになりました。

 その一つがスウェーデンの研究です。10歳から30歳の女性約167万人を対象に、接種した人としていない人で、子宮頸がんになった人の割合に違いが出るかどうかを調べました。その結果、接種した人は63%、発症リスクを減らしていたという結果が出ました。

 一方、接種後に体の痛みや運動障害などの症状が出た場合、それがワクチンによるものなのかどうか、国内外で調査が行われてきました。その結果、こうした症状は、接種した人もしていない人も出ることがあり、その頻度は変わらず、ワクチンとの関連性はないと判断されました。

――HPVワクチンは定期接種の対象が小学6年生から高校1年生の女子です。大人になる前にこのワクチンを接種するのはなぜですか。

 ヒトパピローマウイルスは、主に性的接触により感染します。そのため、より早い段階でワクチンを接種することで、感染を防げる確率が高まります。また、より若いうちに接種した方がウイルスに対する免疫効果が高まるとされています。スウェーデンの研究でも、17歳になる前に接種した人に限ると88%、発症リスクを減らせたという結果が出ています。

――定期接種の対象年齢を過ぎていても、接種した方がよいのでしょうか。

 定期接種の対象外になる高校2年生以上の年齢の人でも、HPVワクチンを接種する意義は十分にあります。

 性的接触の経験がない人はもとより、すでに経験をした人でも、子宮頸がんの発症原因となる16型と18型の両方を保有していることはほとんどありません。HPVワクチンを接種することで、まだかかっていないタイプの感染を防げます。

 国は積極的勧奨の中断により接種する機会を失っていた、1997~2005年度に生まれた女性も、公費で受けられる「キャッチアップ接種」の制度を設けています。

HPVワクチンを巡るこれまでの主な動き
2013年4月 予防接種法に基づく定期接種が始まる
2013年6月 厚生労働省が、積極的勧奨を中止
2016年7月 ワクチンの被害を訴える女性たちが、国と製薬会社2社を提訴
2021年10月 厚労省の検討部会が積極的勧奨を再開する方向で合意

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