大川智彦「先手を打って、病に克つ」
「現代最高の医療」は「病気の早期発見・早期治療」です。最新の知識、そして高度な治療技術も、病気を早く見つけ、重篤化を防ぐ「予防医療」にはかないません。放射線の専門医、それに検診センターでの医師経験をもとに、「がん」や「生活習慣病」、「認知症」などについて、どうすれば「早期発見・早期治療」につながることができるのか、わかりやすくお伝えしていきます。
医療・健康・介護のコラム
膝の痛み、腰痛、高血圧症、糖尿病…肥満は万病のもと。内臓脂肪はがんや認知症の原因にも
日本に「飽食の時代が来た」とされたのは1970年代でした。終戦直後の深刻な食糧難から、四半世紀ほどで国民の食生活は大きく改善したわけです。家庭の食卓には、海外発のメニューが並ぶようになり、外食環境も充実したことで、日々の食事は高カロリー化していきました。人々が広く「自分の体形」に関心を示すようになったのも、そのころからだったと考えられます。生活が豊かになり、余暇の充実やファッションの多様化に合わせて、「もっと痩せたい」と考える人が増えていきました。
それにつれて、さまざまなダイエット法が「現れては消え」を繰り返しました。中には効果が怪しいだけでなく、明らかに健康を損なう恐れがあるものまで流行しました。
やがて、医療・健康の正しい知識の高まりにともなって、「適切な食事と運動」による「健康的なダイエット」が定着してきました。これは喜ばしいことだと思います。
「自分自身の見た目の変化」がダイエットのきっかけになる人は少なくないと思います。それは社会生活上、大切なことなのかもしれません。「均整の取れたプロポーションを保つ」「好きな洋服を着られる」などは、毎日を楽しく、自信をもって過ごすためのモチベーション(動機付け)となります。同時に、「好きなものを食べられる」「自分の足で好きな場所に行ける」健康状態を保つことが、いつまでも元気に生きていく原動力になることは言うまでもありません。
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