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健康経営の今後を語るシンポジウム、東京で開催

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 健康経営に積極的に取り組む企業や健保組合などでつくる一般社団法人「健康と経営を考える会」(本部・東京、企業・健保合わせて23団体が参加)の第8回シンポジウムが5月31日、東京都内で開かれた。オンラインでも同時配信され、約600人が視聴した。

 今回のテーマは「健康経営のネクストステージへ~健康経営責任者の役割・健康データの活用~」。冒頭、ローソンの竹増貞信社長が、「みんなを幸せにするローソンのウェルネス取り組み」と題して、基調講演を行った。竹増氏は自らがCSO(チーフ・サステナビリティ・オフィサー)や「健康ステーション推進委員会委員長」として進めてきた健康経営の取り組みを紹介。「従業員の健診受診・再受診100%」をKPI(重要業績評価指標)に定めることで100%を達成できた実績などを発表した。

企業理念に「社員の幸福」「人の成長」掲げる

 第1部の「健康経営責任者セッション」では、日本航空の清水新一郎副社長が登壇した。JALが2010年1月の経営破綻後、企業理念を作り直し、「全社員の物心両面の幸福を追求」することを宣言、各事業所やグループ内各社に「Wellnessリーダー」を置いて、健康増進を図ってきた活動を報告した。続いて、丸井グループ取締役で産業医の小島玲子氏が、「人の成長=企業の成長」との企業理念を掲げて社員のウェルビーイング(心身が健康で幸せな状態)を推進してきた取り組みを発表。また、一人ひとりの仕事の「意味感」を向上させるため、「なぜ今の会社、部門、自分があるのか」を文章にするワークショップを続けることなどで、離職率が改善している事例を発表した。

健康経営の今後の方向性について活発な議論が行われたシンポジウム(5月31日、東京都千代田区で)

 パネルディスカッションでは、「健康と経営を考える会」代表理事の山本雄士・ミナケア社長、高谷典秀・医療法人社団同友会理事長の2人がモデレーターを務めた。ローソンの竹増社長は「働き方や休み方の価値観は年代によって変化する。一人ひとりに合わせたウェルビーイングを目指す。健康だけでなく、人生の充実感を会社が用意したい」と意気込みを語った。また、JALの清水副社長は「かつては『不健康』を自慢する人が多かったが、今の若い人は不健康な習慣を遠ざけている。社内の若い人の考え方を健康経営に取り入れていく必要がある」と指摘した。

求められる「データヘルス」「コラボヘルス」の充実

 続いて、日本医師会の今村聡副会長が、「日本医師会医療情報管理機構(J-MIMO、ジェイミモ)」による医療情報の活用についてリモートで講演した。この機構は国内に3団体ある認定事業者の一つ。「次世代医療基盤法」に基づき、医療機関からカルテや健康診断のデータなど国民の医療情報を匿名化して製薬会社や研究機関に提供する事業を進めている。こうした取り組みにより、データに基づいて保健指導、予防健康づくりを行う「データヘルス」や、病気の早期発見、予防などの研究が進むことが期待されている。

 第2部の「健康データセッション」では、厚生労働省の担当者が「(健康保険組合などの)保険者に期待されている役割」として、「データヘルス」や、保険者と企業が連携して社員の健康づくりを行う「コラボヘルス」等の推進が求められていると解説。続いて、経済産業省の担当者が、健康経営に取り組む企業への評価について、「従業員のアブセンティーイズム(傷病による欠勤)、プレゼンティーイズム(出勤はしているものの健康上の問題によって完全な業務パフォーマンスが出せない状況)などに企業がどう取り組んでいるかが重視されるようになる」との見通しを示した。

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