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常喜眞理「女のココロとカラダ講座」

 思春期から妊娠・出産、更年期と、変化していく女性の体は様々な健康リスクに見舞われます。そこに、子育てや人間関係のストレスも重なって……。各年代の女性に特有な心身の悩みを乗り切るには、何に気をつければいいのでしょうか。健康診断や会社員のメンタルヘルスにも取り組む開業医、常喜眞理さんが答えます。

妊娠・育児・性の悩み

治っても茶色いシミが…月経前に繰り返す大人ニキビ 漢方薬で再発抑える

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抗菌と肌質改善の塗り薬

月経前に悪化を繰り返す大人ニキビ 漢方薬で再発抑える

 40歳代前半のOさんは鼻と口まわりのニキビが悪化したと来院された。マスクを外すと小鼻と顎まわりに大小の赤ニキビが点在していた。

 ニキビに対する治療は日本皮膚科学会からガイドラインが示されている。その中で一番一般的な治療は塗り薬である。塗り薬には大きく分けて2種類ある。一つは肌質改善の塗り薬で、皮膚角質層の生まれ変わり(ターンオーバー)を促して、毛穴の詰まりを改善することでニキビができにくい肌にしていくものだ。

 もう一つは抗菌薬の塗り薬だ。ニキビの主原因菌であるアクネ菌で炎症が起きている赤いニキビには抗菌薬の塗り薬を併用する。この二つの効果を合わせた、肌質改善の塗り薬と抗菌薬を混ぜた塗り薬もある。これは、抗菌薬の使いすぎによる耐性菌の出現を減らす効果も期待できるようだ。

内服薬 便秘・下痢の副作用も

 芯のある赤いニキビや黄色いうみをもつニキビが多発している場合、一時的に抗菌薬の内服を併用することもできる。Oさんは1か月後に楽しみにしていた友人との食事会があり、それまでに改善したいとの強い希望があったので、2週間抗菌薬を内服してまず改善させることにした。

 内服抗菌薬は効果が期待できるが、便秘・下痢、カンジダ(ちつ)炎など副作用も起こる可能性があるので、ダラダラと続けるのはお勧めできない。また頻回あるいは長期に服用することで耐性菌ができてしまい、いざ抗菌薬を必要とする病気の際に効かなくなる場合もあるので、安易な内服は避けたい。

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常喜 眞理(じょうき・まり)

 家庭医、医学博士
 1963年生まれ。東京慈恵会医科大学卒業。消化器病学会専門医、消化器内視鏡学会専門医・指導医、内科学会認定医、日本医師会認定産業医。院長を務める常喜医院(内科、皮膚科)での診療のほか、慈恵医大新橋健診センターでは診療医長として健康診断(人間ドック)の内科診察を行い、婦人科や乳腺外科の診断を担当する。様々な大手企業の産業医でもあり、職場におけるメンタルヘルスのサポートを長年行っている。著書に「オトナ女子 あばれるカラダとのつきあい方」(すばる舎)。現在、BS-TBS「Together」に準レギュラー出演中。

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