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起立性調節障害の孫 不登校

 小学5年生の孫が「起立性調節障害」と診断されました。朝は血圧が低く、胃痛や吐き気に苦しみます。学校にも行けていません。病院で治療薬はないと言われ、悩んでいます。(71歳女性)

水分摂取や血圧調整薬 有効

加藤 善一郎 岐阜大学小児科教授(岐阜市)

 起立性調節障害(OD)は、血圧などを調節する自律神経がうまく働かなくなる病気で、思春期前後に多くみられます。

 症状は立ちくらみやだるさ、頭痛、腹痛など様々で、1日の中で症状が変わることも特徴です。朝はなかなか起きられず調子が悪いのに、夕方以降は改善されることが多くあります。

 貧血など別の病気でも似た症状が出ることがあるため、診断に必要な検査などについて、小児科専門医に相談することが大切です。

 治療は多くの場合、水分摂取や血圧を調整する薬が有効です。睡眠リズムを整えることも重要です。夜更かしが続くと症状が悪化しがちなため、睡眠調整薬を使うこともあります。

 ご家族と学校の先生方の理解も必須です。夕方以降に症状が改善することで「さぼりではないか」と誤解し、 叱責しっせき を続けないように注意してください。

 不登校はODのせいだと考えられがちですが、そうとは限りません。ODのみが原因である「OD単純型」では、治療で比較的すぐに元気を取り戻し、登校できるようになります。

 ODの治療を受けてもあまり効果がなく、不登校が長期化する場合は、他の病態(知的アンバランス・発達特性など)が併存した「OD複合型」であることがとても多いです。小児神経専門医や、児童精神科医などにも診ていただくことを考えてもよいでしょう。

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