Dr.高野の「腫瘍内科医になんでも聞いてみよう」
医療・健康・介護のコラム
「将来、がん専門医になりたい」。中学生のうちからできることはありますか?

イラスト:さかいゆは
千葉県の中学3年生のさくらさん(仮名)から質問をもらいました。
「5年前に祖父をがんで亡くしました。祖母もがんを患っていて、同じがん専門病院で治療を受けています。がんを抱える祖父母と親身に向き合う医師の姿を見てきて、私もあのような医師になりたいと思いました。将来がん専門医になるために、中学生の私が、身に付けておいた方がよいことがあれば教えてください」
経験することに無駄は一つもない
さくらさん、ご質問ありがとうございます。
大切なご家族が、がんと向き合っておられるのですね。つらいこともあったと思いますが、亡くなられたおじいさまにとって、さくらさんの存在は、きっと支えになっていたはずです。治療中のおばあさまにも、しんどいことがあるかもしれませんが、これからも、そばにいて、話し相手になってあげてくださいね。
また、さくらさんが、ご家族の病気をきっかけに、がん医療に触れ、いろいろと感じてくれたこと、そして、自らがん医療を専門とする医師になろうと思ってくれたことは、がん専門医である私としても、とてもうれしく思います。将来、がん専門医として活躍してくれることを期待しています。
でも、さくらさんのこれからの人生には無限の可能性があります。がん専門医になることが唯一のゴールだと決めてしまうのではなく、様々な可能性を想像しながら、いろいろなことに興味を持って、幅広く考え、たくさんの経験をして、学んでいくのがよいと思います。一見遠回りに見えることであっても、これから経験することに無駄なことは一つもありません。
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