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「新生児スクリーニング」で難病「重症複合免疫不全症」を早期発見 治療へ…国立成育医療研究 センター

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 国立成育医療研究センターは、特定の酵素が欠損しているために起きた重症複合免疫不全症の赤ちゃんを、無症状のうちに診断し、早期治療につなげたと発表した。発症後では治療が難しい病気で、生まれつきの難病を調べる「新生児スクリーニング検査」で見つけた。

 同センターによると、この病気の発生頻度は5万人に1人程度。免疫力が低いため、生後間もなく重い肺炎や中耳炎などになり、造血細胞移植などの治療を行わないと1年以上の生存が難しいとされる。15%程度が、特定の酵素の欠損により起こるタイプだという。

 同センターと新潟大のチームは、保護者の同意を得て検査を実施し、無症状のうちに病気を発見。足りない酵素を補充する治療を開始した。今後も定期的な治療が必要だが、赤ちゃんは免疫力が回復し、生後6か月で退院した。

 国は、新生児スクリーニング検査で公的に費用を負担する対象疾患として、20の難病をあげている。しかし、重症複合免疫不全症は対象外のため、検査費用(6000~7000円)は自己負担となる。

 同センター免疫科の医師・内山徹さんは「症状が出てからでは手遅れになる恐れがある。早期に適切な治療につなげるために検査費用を公的に補助してほしい」と話している。

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