文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

ウェルネスとーく

医療・健康・介護のコラム

[お笑い芸人 つぶやきシローさん](上)大ブレイクと引き換えに失ったもの 51歳の今、振り返る

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

 1990年代後半、特徴的な栃木なまりで「あるあるネタ」をつぶやく芸風で大ブレイク。一躍時の人になったお笑い芸人のつぶやきシローさんも51歳になりました。ブレイク後もお笑いを続け、現在は独特のセンスと鋭い観察眼を生かしたツイッターが人気を集めて、そのフォロワー数は99万人に上ります。大ブレイク後の心境や、あるあるネタへの思いを聞きました。(聞き手・山口千尋、撮影・中山博敬)

「はがき職人」タイプだった学生時代 クラスの人気者を横目に「俺のほうが面白い」

[お笑い芸人 つぶやきシローさん](上)大ブレイクと引き換えに失ったもの 51歳の今、振り返る

――元祖あるある芸人のつぶやきシローさん。その鋭い観察力はいつから鍛えられていたのでしょうか。

 中高生の頃、少し不良っぽい「セミ不良」がバラエティーちっくに騒いで女子の笑いを取っている時、「俺の方が面白いじゃん」って思っていました。絶対言わないけど。 ()輿(こし) を担がれるわけでもなく、担ぐわけでもなく、端っこのほうでこう、祭りの中にいる犯人を見る、みたいな感じでしたね。

――お笑い芸人の方の学生時代といえば、クラスで人気者というイメージがあります。

 クラスの人気者じゃなかったですよ、お察しの通り。どちらかと言えば、ラジオ番組に面白いはがきを投稿する「はがき職人」タイプ。授業中ちょっと面白いこと言って笑いをとっていました。

 学校のクラスって社会の縮図ですよね。頭のいい子、かっこいい子、かわいい子、スポーツできる子がそれぞれ1~2人いてね。あと、絶対ピアノ弾ける子が1クラスに1人はいるんですよね。音楽会で伴奏が必要だからね。あれうまくできてるよねぇ。

生粋のテレビっ子 「ブラウン管の中に入りたい」

――お笑い芸人になりたいという気持ちはいつから芽生えたのでしょうか。

 昔はテレビが一番の娯楽でした。ドリフや欽ちゃん、とんねるずが面白かったですよね。テレビが王様の時代、ベタだけど「ブラウン管の中に入りたい」と思ったんです。

 大学入ってからもバラエティー番組見て、月9のドラマ見て、ほんとにテレビっ子でした。

――愛知県の大学を卒業後、上京してホリプロのオーディションを受けて合格しました。

 順番に名前呼ばれてネタを見せてという感じで、大したオーディションじゃなかったですよ。たまたまオーディション会場で友人に会って、ほかの受験者を見て「あいつ受かるのかな」とか話してました。そしたら、僕が名前を呼ばれて、びっくり。補欠合格でした。

 友達は落ちちゃいました。気まずいよね。よくあるよね、友達と一緒に合格発表見に行ったら自分だけ受かっていた、みたいな。しかも、友達の親の車に乗せてもらって合格発表の会場に行ったもんだから、帰りの車内が地獄、みたいなね。

適当につけた芸名、人生で一番呼ばれる名前に

[お笑い芸人 つぶやきシローさん](上)大ブレイクと引き換えに失ったもの 51歳の今、振り返る

大ブレイクした26歳の頃、読売新聞のインタビューに答えるつぶやきシローさん

――あるあるネタをつぶやくという芸風はこの時に生まれたのですか?

 最初は1人コントをやっていましたが、お笑いライブの新人コーナーに出る時、マネジャーから「漫談作ってみないか?」と言われたんです。名前どうしようって考えていたら、同期が「下向いてなんかつぶやいているから、つぶやきなんとかにしようよ」って。

 今はピンだけど、そのうちコンビとかも組むだろうからとりあえずの名前だし、って適当に決めたら、まさか人生で一番呼ばれる名前になるなんてね。その新人コーナーで2回優勝しました。

――それからバラエティー番組に引っ張りだこになりました。

 その時の俺なりに必死で仕事したし、色々やらせてもらえました。リポーターとか、やり方わからないし、新人だから現場にマネジャーもきてくれなくていつも1人。不安でした。

 ブレイクしたのは1年間だけ。すんごい働いた時があってよかったですね。ほんと不思議でした。出たくて出られるものじゃないですからね。

大ブレイクが終わってほっとしたけれど……好きなものを一つなくす

――ブレイクが終わった後、どんな気持ちでしたか?

 ほっとしました。やっぱり。逃げ回っていた犯罪者が「捕まってよかった。捕まえてくれてありがとう」ってよく言うじゃないですか。あれと同じ。解放された感じでした。

 でも、悲しかった。仕事が全部なくなってしまったので。やりたい仕事もあったけど、全部なくなっちゃって。しかたないんですけどね。

――落ち込んだりはしませんでしたか?

 テレビを見なくなりました。テレビが大好きでこの世界に入って、ブレイクした時は「自分がブラウン管の中にいる!」って、テレビに出ている自分を見るのがすごく楽しかったのに。

 ブレイクと引き換えに好きなものを1個なくしちゃった。今はネタが (かぶ) らないように確認するために見るくらいで、昔ほどは見ていないですね。

1 / 2

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

wellnnesstalk1-200

ウェルネスとーく

 あの人が、いつも生き生きしているのはなぜだろう。

 健康、子育て、加齢、介護、生きがい…人生の様々なテーマに向き合っているのは、著名人も同じ。メディアでおなじみの人たちが、元気の秘密について語ります。

ウェルネスとーくの一覧を見る

最新記事