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コロナ罹患後症状、3分の1で1年後も残存 国内最大規模の調査報告を公表

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 新型コロナウイルス感染症(COVID-19)罹患後に長期に持続する症状に関する報告が海外から行われているが、日本からの報告は少なく、その内容も罹患後症状の割合が主体であった。慶應義塾大学呼吸器内科教授の福永興壱氏、消化器内科教授の金井隆典氏らの研究グループは、国内最大規模かつ長期にわたりCOVID-19罹患後症状の調査を実施。診断から12カ月経過後も、およそ3分の1の症例で1つ以上の症状が残存していることが明らかになった。調査結果の概要は6月2日、 同大学公式サイト で公表された。

24の代表的な罹患後症状の有無を経時的に調査

コロナ罹患後症状、3分の1で1年後も残存 国内最大規模の調査報告を公表

※画像はイメージです

 この調査は全国27施設が参加した多施設共同調査研究で、2020年11月~22年3月に実施された。参加施設においてCOVID-19と確定診断され入院治療を受けた18歳以上の症例に関して、診断3カ月後、6カ月後、12カ月後に回答用紙またはスマートフォンアプリを用いてCOVID-19罹患後症状の有無を調査、加えて各症例の臨床情報を収集した。2022年3月末までに1,200例から参加の同意を得て、3カ月後に1,109例、6カ月後に1,034例、12カ月後に840例の回答を回収。患者背景および臨床情報とともに解析可能な1,066例を対象とした。その内訳は男性679例、女性387例。COVID-19の重症度は軽症以下248例、中等症I 412例、中等症II 226例、重症100例で、年齢は50歳代が23.5%と最多、次いで60歳代および70歳代が18.4%、40歳代が12.8%、30歳代が11.2%、80歳代以上が7.3%、20歳代未満が8.3%であった。

 COVID-19罹患後症状として代表的な24項目の症状の有無、発症時期、症状の持続期間についての調査に加えて、診断3カ月後の時点でEQ-5D-5LおよびSF-8による健康関連QOL、HADSによる不安・抑うつ傾向、COVID-19恐怖尺度による恐怖感、ピッツバーグ睡眠質問票による睡眠障害、WHO健康と仕事のパフォーマンスに関する調査票による労働生産性を調査し、患者背景などとの関連を評価した。

倦怠感、呼吸困難、筋力低下、集中力低下が長期的に残存

 1つ以上の罹患後症状を有する割合は図1の通りで、診断から12カ月が経過してもおよそ3分の1の症例で症状が残存していることが明らかになった。

図1.1つでも症状を有する割合の経時変化

コロナ罹患後症状、3分の1で1年後も残存 国内最大規模の調査報告を公表

 入院時に見られた24の症状の割合は、発熱(37.0℃以上、80.2%)、倦怠感(64.2%)、咳(57.0%)、呼吸困難(45.2%)、痰(35.5%)、頭痛(34.5%)、味覚障害(34.0%)、嗅覚障害(31.5%)、筋力低下(28.9%)、関節痛(28.6%)、咽頭痛(27.4%)、睡眠障害(25.5%)、思考力・集中力低下(24.3%)、筋肉痛(23.6%)、下痢(21.0%)、脱毛(16.1%)、意識障害(15.2%)、記憶障害(12.5%)、眼科症状(11.6%)、皮疹(11.6%)、知覚過敏(11.4%)、手足の痺れ(10.2%)、耳鳴り(10%未満)であった。

 診断3カ月後、6カ月後、12カ月後に症状が残存する割合は経時的に低下傾向にあるが、12カ月後には主に倦怠感(12.8%)、呼吸困難(8.6%)、筋力低下(7.5%)、集中力低下(7.5%)などが残存していた(図2)。

図2.24の代表的なCOVID-19罹患後症状の割合と経時変化

コロナ罹患後症状、3分の1で1年後も残存 国内最大規模の調査報告を公表

健康関連QOLが低下、不安・抑うつ、恐怖感が増強、睡眠障害が悪化

 診断3カ月後に1つでも残存する症状がある場合、健康関連QOLは有意に低下、不安や抑うつの傾向が強くなり、新型コロナウイルスに対する恐怖感が増強、睡眠障害が悪化していた(図3)。また、罹患後症状が1つでも残存することで労働生産性の低下を感じる人が多かった。

図3.罹患後症状の有無による健康関連QOLスコア、不安や抑うつ、恐怖尺度、睡眠障害の平均値および標準偏差

コロナ罹患後症状、3分の1で1年後も残存 国内最大規模の調査報告を公表

(図1、2、3ともに同大学プレスリリースより)

 診断3カ月時点で罹患後症状が残存する危険因子を単変量ロジスティック回帰分析を用いて検討したところ、女性、入院中の咳、味覚障害、嗅覚障害、下痢、悪心・嘔吐、細菌感染の併発、気管内挿管や昇圧薬を要するなどの重症化が抽出された。

 これらのことから研究グループは「COVID-19患者に対しては、急性期の治療だけでなく回復後に健康関連QOLの低下や不安・抑うつ、恐怖感の増強、睡眠の質の低下などを誘発する罹患後症状が残存するため、多面的なサポートが必要と考えられる」と考察。今回の研究の意義について「日本において1,000例を超える最大規模の症例でCOVID-19罹患後症状を検討した初めての報告。日本における罹患後症状の研究基盤となるものであり、医学的なアプローチの検討や政策立案にも寄与するデータである」と述べている。(編集部)

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