教えて!ヨミドック
病気や健康の疑問に、読売新聞の医療サイトのキャラクター、ヨミドックが答えます。
医療・健康・介護のニュース・解説
仕事の相談、同僚にしづらい どうすれば?
Q 仕事で同僚に相談したいけど、言い出せなくて。
ヨミドック 一般的に日本人は、人に頼ることが苦手な人が多いですね。申し訳ないからなるべく避けるべきだと考えたり、結果を自分の責任とする「自己責任論」が世の中に根強く、人に何かを頼みづらい雰囲気があったりすることが理由と考えられます。
Q たしかに。
ヨ でも、困っている人が他の人に助けを求める力「頼るスキル」を使うことは、頼る人、頼られる人双方に利点があるんですよ。
Q どんな?
ヨ 〈1〉弱みをさらけ出して相談することは、相手への信頼の証しとなり、人間関係が深まる〈2〉頼られた人は自己肯定感が高まり、心身の状態の向上につながり得る――などの点です。
Q わかったけど、やはり僕は頼るのは苦手だよ。
ヨ 頼る場面での口癖で、頼るスキルがあるかどうかわかります。苦手な人は「すみません」とわびる言い方になりがち。スキルがある人は「ありがとう」と感謝します。頼ることを肯定的にとらえると、後者の言い方ができます。

Q 頼み方を教えて。
ヨ 「敬意」「承認」「感謝」という三つの気持ちを順番に伝えることが大切です。
Q 具体的には?
ヨ まず、相談したい相手の名前を呼び、「今、いいですか」と相手の都合に配慮しましょう。敬意と、あなたに聞いてほしいという気持ちを示せます。承認は、相談前に「助かります」などの言葉で伝えます。相談を終えたら、「おかげで気が楽になった」と感謝しましょう。悩み事が解決したかどうかでなく、自分の相談を聞いてくれたことに喜びを示せばよいのです。
Q でも、頼って、もし断られたらショックだな。
ヨ 断られた時の心の準備をしておけば、ショックの受け方が違います。「拒絶された」と思わないこと。対人関係の学びととらえれば、心の健康を保てますよ。
Q 皆が人に頼れるようになるにはどうすればいいの。
ヨ 「人に迷惑をかけるな」という日本人のモラル感を絶対視しないことです。もちろん大切な心構えですが、「迷惑をかけるのは悪い人」という極端な考え方につながりがちです。苦しい時は迷惑をかけても、かけられても、お互いさまと思えるとよいですね。
(加納昭彦/取材協力=吉田穂波・神奈川県立保健福祉大教授、斎藤環・筑波大教授)
ヨミドックは読売新聞の医療サイト・ヨミドクターのお医者さんキャラクターです。
【関連記事】