一病息災
闘病記
[脚本家 三谷幸喜さん]前立腺がん(1)「鎌倉殿の13人」は自宅のテレビで…「真田丸」の初回放送時は手術で入院中
今年1月9日夜。脚本を手がけるNHK大河ドラマ「鎌倉殿の13人」の初回放送が始まった。今回は、妻と息子の3人で、自宅のテレビで見ることができた。
「また大河の1回目を病院で見るのは嫌だなって思っていましたが……。歴史を繰り返さなくてよかった」
前回担当した大河ドラマ「真田丸」(2016年)の初回放送時は、前立腺がんの手術を受けて、入院中だった。
病棟のあちこちから冒頭のテーマ曲が聞こえてきて、廊下に出て耳を澄ました。それはそれで、めったにない経験だ。うれしかったけれど、まさか病室で一人で見るとは思ってもいなかった。
前立腺がんが判明したのは、2015年のことだ。人間ドックで、PSA(前立腺特異抗原)の数値が「やや高い」と指摘された。
医師から「様子をみましょう」と言われたが、気になった。14年に前立腺がんに関するドラマの脚本を書いたことがあり、数値によっては前立腺がんが疑われることを知っていたからだ。
ドラマの取材で知り合った慈恵医大泌尿器科の医師・ 頴川晋 さんに相談し、詳しい検査を受けたところ、早期のがんが見つかった。
頴川さんとの出会いがなければ、詳しい検査をせずに放っておいただろうと感じている。その場合、早期に発見できたかはわからない。
「今思えば運命的で、本当にラッキーでした」
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脚本家 三谷幸喜 さん(60)
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