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原因不明の子どもの急性肝炎…「もしや」と思い、受診を考えるポイントは?

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 原因不明の子どもの急性肝炎に関する事例が、海外から相次ぎ報告されています。日本国内でも、5月26日時点で、31人が当てはまる可能性がある入院患者として報告されました。今後、国内で患者が増えていくことはあるのでしょうか。

急性肝炎とは

原因不明の子どもの急性肝炎…「もしや」と思い、受診を考えるポイントは?

 肝臓は、エネルギーとなるブドウ糖をグリコーゲンとして蓄える、アルコールなどを分解するといった役割を果たしています。

 急性肝炎は、何らかの原因により肝臓に炎症が起こる病気で、A~E型肝炎ウイルスによるものが知られています。ウイルスがついた水や食べ物を口にした、感染者の血液に触れたり性交渉をしたりした、ウイルスに感染した母親から生まれた――といったことが感染経路として挙げられます。

 また、サイトメガロウイルスやEBウイルスに感染するなどした場合も、発症することがあります。

 急性肝炎になると、食欲不振、全身の 倦怠(けんたい) 感、吐き気、下痢、白目などが黄色くなる黄だんといった症状が出ます。ただ、目立った症状が出ないケースもあります。

重症例は年間20例前後

 日本小児栄養消化器肝臓学会などによると、国内では急性肝炎になり、肝臓移植が必要になるような重症例は年間20例前後報告されています。ただ、症状が軽いケースも含めると、全体的にどのくらいの子どもが発症しているかは分かっていないと言います。

 同学会理事長の清水俊明さん(順天堂大教授)は、「原因が様々であることや、症状が出ない人もいることなどから、実態を把握するのは難しい」と説明します。分かっている重症例だけを見ても、半数はA~E型肝炎ウイルスの関与が否定され、発症原因は不明です。

関連が指摘されるアデノウイルスとは

 今回の問題は2022年4月、英国などで重症の急性肝炎を患う子どもが増えていると報告されたことが発端です。英国では見つかった子どもを検査し、約7割がアデノウイルスに感染したと報告され、関連があるのではないかと指摘されました。

 このウイルスは、急性上気道炎や流行性角結膜炎、感染性胃腸炎などを引き起こします。清水さんは「アデノウイルスが肝炎を引き起こすことは、まれです。英国ではアデノウイルスが流行していて、急性肝炎を発症した患者でも感染した子どもの割合が高かっただけということも考えられます」と話しています。

 厚生労働省は、22年5月26日までに原因不明の急性肝炎で入院した子どもは日本国内で31例報告され、2例からアデノウイルスが検出されたと発表しています。ただ、英国などで確認されている「41型」とは異なる「1型」と「2型」というタイプでした。

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