文字サイズ:
  • 標準
  • 拡大

Dr.夏秋の毒虫クリニック

医療・健康・介護のコラム

皮膚に食い付き1週間 生き血を吸って巨大化する…マダニ<対策基礎編>

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

里山の崩壊でマダニが増加

皮膚に食い付き1週間 生き血を吸って巨大化する…マダニ<対策基礎編>

 私は日頃から、どこにいても虫を探しています。街角の植え込みや駅のホーム、あるいは大学構内の溝の中でも、ひっそり生きている虫がいるのです。

 そんな私でも、虫との出会いは年々、減る一方です。以前であれば里山でよく見られたオオムラサキやカナブン、タガメなどの身近な虫が、いつの間にか私たちの前から姿を消しつつあることにお気づきでしょうか?

 時代と共に減る虫や増える虫がいるのは、自然の摂理かもしれません。しかし、森林伐採などの開発行為、農薬や廃棄物のような有害物質の拡散といった、人類の営みによる自然環境への影響と考えると、ちょっと不安になります。

 同じ野生の生き物でも、シカやイノシシなどは、近年、全国各地の野山で増えています。豊かな自然が守られている証しと思われる方もいるかもしれませんが、背景には人口減少による里山の崩壊があるのです。動物たちによる農作物の食害は甚大、草木やササも食い荒らされて、植生まで変化しているとなると、喜んでばかりはいられません。

 それだけではなく、これらの野生動物に寄生するマダニも増えているのです。今回から2回にわたって、マダニによる被害についてお話しします。

1 / 3

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • チェック

natsuaki-masaru_prof

夏秋 優(なつあき まさる)

 兵庫医科大学皮膚科学教授。1959年生まれ。カリフォルニア大学サンフランシスコ校皮膚科研究員、兵庫医科大学皮膚科学講師、助教授などを経て2021年より現職。日本衛生動物学会会長。主な専門分野は虫による皮膚疾患、皮膚疾患の漢方治療。主な著書に「Dr.夏秋の臨床図鑑 虫と皮膚炎」(学研メディカル秀潤社)、「止々呂美哀歌」(NRC出版)、「医ダニ学図鑑」(共著、北隆館)、「衛生動物の事典」(共編著、朝倉書店)」など。

Dr.夏秋の毒虫クリニックの一覧を見る

1件 のコメント

コメントを書く

マダニの除去方法

ANKO

子どものころ、飼い犬を山に連れて行くと、しばらくして、飼い犬の耳の中に、4~8ミリくらいのマダニが5、6匹ついていました。犬が耳をかくのでわかり...

子どものころ、飼い犬を山に連れて行くと、しばらくして、飼い犬の耳の中に、4~8ミリくらいのマダニが5、6匹ついていました。犬が耳をかくのでわかります。線香に火をつけ、マダニの背中に当てると、マダニがポロポロ落ちます。大昔の子どものころの記憶です。

つづきを読む

違反報告

すべてのコメントを読む

コメントを書く

※コメントは承認制で、リアルタイムでは掲載されません。

※個人情報は書き込まないでください。

必須(20字以内)
必須(20字以内)
必須 (800字以内)

編集方針について

投稿いただいたコメントは、編集スタッフが拝読したうえで掲載させていただきます。リアルタイムでは掲載されません。 掲載したコメントは読売新聞紙面をはじめ、読売新聞社が発行及び、許諾した印刷物、読売新聞オンライン、携帯電話サービスなどに複製・転載する場合があります。

コメントのタイトル・本文は編集スタッフの判断で修正したり、全部、または一部を非掲載とさせていただく場合もあります。

次のようなコメントは非掲載、または削除とさせていただきます。

  • ブログとの関係が認められない場合
  • 特定の個人、組織を誹謗中傷し、名誉を傷つける内容を含む場合
  • 第三者の著作権などを侵害する内容を含む場合
  • 企業や商品の宣伝、販売促進を主な目的とする場合
  • 選挙運動またはこれらに類似する内容を含む場合
  • 特定の団体を宣伝することを主な目的とする場合
  • 事実に反した情報を公開している場合
  • 公序良俗、法令に反した内容の情報を含む場合
  • 個人情報を書き込んだ場合(たとえ匿名であっても関係者が見れば内容を特定できるような、個人情報=氏名・住所・電話番号・職業・メールアドレスなど=を含みます)
  • メールアドレス、他のサイトへリンクがある場合
  • その他、編集スタッフが不適切と判断した場合

編集方針に同意する方のみ投稿ができます。

以上、あらかじめ、ご了承ください。

最新記事