Dr.夏秋の毒虫クリニック
医療・健康・介護のコラム
皮膚に食い付き1週間 生き血を吸って巨大化する…マダニ<対策基礎編>
里山の崩壊でマダニが増加
私は日頃から、どこにいても虫を探しています。街角の植え込みや駅のホーム、あるいは大学構内の溝の中でも、ひっそり生きている虫がいるのです。
そんな私でも、虫との出会いは年々、減る一方です。以前であれば里山でよく見られたオオムラサキやカナブン、タガメなどの身近な虫が、いつの間にか私たちの前から姿を消しつつあることにお気づきでしょうか?
時代と共に減る虫や増える虫がいるのは、自然の摂理かもしれません。しかし、森林伐採などの開発行為、農薬や廃棄物のような有害物質の拡散といった、人類の営みによる自然環境への影響と考えると、ちょっと不安になります。
同じ野生の生き物でも、シカやイノシシなどは、近年、全国各地の野山で増えています。豊かな自然が守られている証しと思われる方もいるかもしれませんが、背景には人口減少による里山の崩壊があるのです。動物たちによる農作物の食害は甚大、草木やササも食い荒らされて、植生まで変化しているとなると、喜んでばかりはいられません。
それだけではなく、これらの野生動物に寄生するマダニも増えているのです。今回から2回にわたって、マダニによる被害についてお話しします。
1 / 3
【関連記事】
マダニの除去方法
ANKO
子どものころ、飼い犬を山に連れて行くと、しばらくして、飼い犬の耳の中に、4~8ミリくらいのマダニが5、6匹ついていました。犬が耳をかくのでわかり...
子どものころ、飼い犬を山に連れて行くと、しばらくして、飼い犬の耳の中に、4~8ミリくらいのマダニが5、6匹ついていました。犬が耳をかくのでわかります。線香に火をつけ、マダニの背中に当てると、マダニがポロポロ落ちます。大昔の子どものころの記憶です。
つづきを読む
違反報告