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お参りで「マイリ」が貯まる…信仰のポイント化へ批判「覚悟の上」

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 若者の生活様式の変化や、コロナ禍による寺社離れに歯止めをかけようと、伝統ある仏教教団や有名神社が、参拝を促すスマートフォンアプリの導入を進めている。来店ポイントのように参拝日数に応じて特典と交換できるものもあり、「お参りをポイント化」することで、信仰心の醸成につなげたい考えだ。(渋谷聖都子)

  檀家だんか の減少に悩む仏教寺院では、浄土宗(総本山・知恩院、京都市東山区)が2024年の開宗850年に向けた事業の一環として、今年秋に無料アプリを導入する計画だ。6月から約7000の全末寺に登録を呼びかけ、これまで一般公開したことがない寺にも気軽にお参りできるようにする。

お参りで「マイリ」が貯まる…信仰のポイント化へ批判「覚悟の上」

浄土宗が計画する公式アプリのイメージ

 「そうだ、浄土宗寺院を巡ろう」と題し、GPS(全地球測位システム)機能で各寺へ誘導。門前にたどり着くだけで「 参礼寺まいれいじ ポイント」が付与される。さらに本堂などでQRコードを読み込むと、プラスポイントを得られ、遠隔地の寺にはポイント加算する仕組みで、特典は今後検討する。各寺で購入した「スマホ御朱印」をフォトブック形式で印刷することも可能という。

 川中 光教こうきょう ・宗務総長は「宗教離れを食い止めるには、多くの人に『開かれた寺』であるべきだ。末寺の意識改革にもつなげたい」と話し、抽選で「今月のポイントアップ寺院」を決めるなど、遊び心も取り入れながら参拝者増を目指す。

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神田明神境内に設けられた専用端末。スマホをかざすと「参詣(マイリ)」が貯まる(東京都千代田区で)

 江戸総鎮守として知られる神田明神(東京)は今年1月から、参拝すると「 参詣マイリ 」が まる無料の公式アプリ「神田明神EDOCCO倶楽部」の運用を始めた。コロナ禍で、昨年の正月三が日の参拝者が例年(約30万人)の半数以下に落ち込んだ危機感がきっかけだ。

 お百度参りの基点となる「お百度石」のデジタル版と位置づけ、境内の専用端末にスマホをかざすと、1日1回「1マイリ」が貯まり、10マイリで煎餅、50マイリで特製ジンジャーエールと交換可能。神社のイベント参加などで加算される。神社本庁によると、「このようなアプリは知る限り初めて」という。

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公式アプリを手にする神田明神の清水祥彦宮司

 参拝という信仰心を特典につなげることへの抵抗感などから内部で反対の声もあったが、清水 祥彦よしひこ 宮司(61)は「批判は覚悟の上。神社の将来を危惧し、まずはお参りの習慣を根づかせたいと踏み切った」と話す。開始後は3か月で登録者数が1000人を超え、若者の参拝者が増えたという。

  鎌田東二・京都大名誉教授(宗教哲学)の話 「手段にかかわらず、社寺への関心を高める試みに意義はある。肝心なのは、門の中に入ってもらった後、信仰的内容をいかに理解してもらうか。神仏の教えに触れられる場を設けるなど、さらなる努力が問われている」

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