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コロナ禍で依然高い自殺リスク 著名人の自殺報道を「最後の引き金」にしない

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社会的な自殺リスクは高まっている

コロナ禍で依然高い自殺リスク 著名人の自殺を「最後の引き金」にしない

  ――自殺者数の変化について、教えてください。

 日本の自殺者数が一番多かったのは03年で、当時3万4000人を超えていました。長らく3万人を超え続けていましたが、10年から10年連続で減少し、20年に微増しました。21年は減少し、今年は4月までのデータ(暫定値)が公表されており、前年と比べて6.4%減っています。自殺者数をみれば、20年に11年ぶりに増加に転じましたが、以降はまた減少しているという状況です。

 ただ、社会的な自殺リスクは高いままだと考えています。コロナ禍が長期化するなかで、複合的な悩みを抱える人は増えています。政府の様々な緊急経済対策もコロナが収束すればなくなります。その支援によって生活や事業を保つことができていた方たちが、結果的にはしごを外されるということにもなりかねません。その意味で、自殺リスクはむしろ高まってきているとみるべきです。

コロナが収束すると、回復路線に乗れない人も

  ――ただ、コロナ禍による様々な制限が緩和されることで以前の生活に戻れば、様々なストレスや悩みが解消される人は多いと思います。

 それはありますが、だからこそ、格差が広がりかねません。コロナが収束すれば、その回復路線に乗れる人がいる一方、乗れない人たちもいます。その乗れない人たちの自殺リスクが高まる可能性があると思っています。

 飲食店や旅行業者なども、政府の支援があって支えられてきた部分がありますし、個々人への特例貸付も原則的には償還しないとなりません。支援が止まり、償還が始まれば、逆に負担になります。コロナが収束しても、コロナ前と全く同じ状況に戻るわけではないでしょうから、ふたを開けてみないとわからない状況です。だからこそ、リスクに備えることが必要だと考えています。

  ――コロナ禍が続くなかで、ライフリンクへの相談内容に変化はありますか。

 最初、コロナの感染が広がり始めた時は、感染に対する恐怖で不安な気持ちがおさまらないというような、感染に関することが多かったのですが、それが、生活や仕事に関する悩みからくる自殺念慮へと内容がうつり、さらには人間関係の問題、家族の問題による自殺念慮も増えてきて、さらに長期化するなかで今はそれらがもっと複合化、複雑化してきているという感じです。

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