ウェルネスとーく
医療・健康・介護のコラム
[芸人 オカリナさん](上)病院の看護職として4年「そんなに私、注射が下手なの?」…ハリガネロックにはまってお笑いへ
お笑いコンビ「おかずクラブ」のオカリナさんは、前職が看護師という異色の経歴の持ち主です。もともと看護師になろうと思ったきっかけや、それがどうしてお笑いの世界を目指すことになったのか、話を聞きました。(聞き手・田村良彦、撮影・中山博敬)
中2の時に祖母が脳梗塞で亡くなり
――オカリナさんは前職が看護師だと聞きました。看護師になろうと思った理由は何だったのですか。
小さい頃からなりたいと思っていたわけではなくて、きっかけは中学2年生の時です。脳梗塞(こうそく)を一度起こした後に一緒に暮らすようになった祖母が、2度目の脳梗塞で倒れてしまったんです。
母親が准看護師なんですけど、朝はいつも、私を起こしに来てくれるのに来ないので、1階に下りてみたら、倒れている祖母を介抱したり、救急車を呼んだりとかしている姿がありました。
――お母さんも看護の仕事をされていたんですね。
祖母は結局、1週間後に亡くなったんですけど、その時の光景を目にして初めて、「人って本当に死ぬんだ」というのを実感しました。いずれ父や母とか身近な人が病気になった時に、自分が助けられたらいいなと思ったんです。
准看護師の母の姿を見て
――それで看護の道へ。
あんまり頭は良くないので医者になるのは難しいけど、看護師ならなれるかもしれないと思って、母に相談したところ、看護科のある高校を勧められて進学しました。
――幼い頃から、お母さんが働く姿を間近に見ていたことも影響していますか。
保育園に入る前の3歳ぐらいまでは、母が勤める病院の託児所にいましたし、母親が夜勤に出かける姿もよく見ていました。
ただ、看護師という職業に憧れたかというと、そんなことはなく、子ども心には、家にお母さんがいる人がうらやましくて。母が夜勤に出る前や明けで疲れて帰ってきた時は、静かにしていなきゃならないとか大変だったし、祖母の件があるまでは看護師になりたいと思ったことはありませんでした。
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