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リングドクター・富家孝の「死を想え」

医療・健康・介護のコラム

75歳で突発性難聴発症、年を取ると病気が増えて死への不安も…延命治療だけは嫌

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突発性難聴と診断され入院

 それで翌日、親しい医学部の同級生がやっている耳鼻咽喉科クリニックを受診しました。細かい聴力検査を受けると、「これは突発性難聴だからすぐに入院治療が必要だ」と言うのです。「突発性」というのは、原因がわからないということです。

 こうして私は、翌日、彼の長男が耳鼻咽喉科部長をやっている東京共済病院に入院し、病室で 悶々(もんもん) としながら過ごしたのです。

 治療は、安静を保つことと副腎皮質ステロイド薬による薬物療法です。500 mgから始め、400 mg、300 mg、200 mg、100 mgと減らしていきました。これを1クールとして様子を見ます。2クールやって、改善が見られたので10日後に退院しました。

 突発性難聴の原因はわかりません。ストレスや過労、睡眠不足などがあると起こりやすいとされ、糖尿病が影響する場合があるとも言われています。私の場合は、糖尿病の上にストレスをため込んだようです。そう言えば、数か月前に右耳になにかモノか水が入ったような違和感を覚えたことがありました。その頃から症状があったのかもしれません。退院後、自宅でさらに静養し、今も症状は残っていますが、だいぶよくなりました。

人生100年時代と言われるけれど

 入院中には「後期高齢者になるというのはこういうことか」……と漠然とした不安を感じました。高齢者の増加とともに国民医療費は上がり続けていますが、使う医療費は年齢によって大きな差があります。

 年齢階級別の1人当たり医療費(医療保険制度分,2019年)を見ると、65歳から74歳までの前期高齢者は年平均57万円ですが、75歳以上の後期高齢者は93万円と1.6倍に跳ね上がります。格段に医療が必要になるので、「後期」と区別するわけです。

 人生100年時代と言われるようになり、最近は、老化を引き起こすという「サーチュイン遺伝子」などが発見され、老化を病気として治療するという考え方が出てきています。確かに90歳を過ぎても元気で働いている人もいますが、寝たきりや介護が必要な高齢者も多く、元気な人もほとんどが病院通いをして生きながらえているのが現実です。私自身も、いくつもの診療科にかかり、医療の恩恵を受けながら暮らしています。

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富家 孝(ふけ・たかし)
医師、ジャーナリスト。医師の紹介などを手がける「ラ・クイリマ」代表取締役。1947年、大阪府生まれ。東京慈恵会医大卒。新日本プロレス・リングドクター、医療コンサルタントを務める。著書は「『死に方』格差社会」など65冊以上。「医者に嫌われる医者」を自認し、患者目線で医療に関する問題をわかりやすく指摘し続けている。

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