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森本昌宏「痛みの医学事典」

医療・健康・介護のコラム

「脚を虫がはっているよう」と言う68歳女性…夜に増す不快感 「むずむず脚症候群」を改善するには?

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抗うつ薬、抗ヒスタミン薬が悪化させることも

 したがって、治療はドーパミンの分泌を促すドーパミン受容体作動薬のプラミペキソール(内服)やロチゴチン(貼付)の処方が主体となっていた。なお、これらを長期使用すると、症状がかえって悪化することがあるので注意が必要。この2種類に加えて、2012年、新たな治療薬、ガバペンチン・エナカルビル(レグナイト)が発売されたことは朗報だ。その他では、鉄分の不足を補う鉄剤、抗てんかん薬のクロナゼパム(リボトリール、ランドセン)の服用が一般的である。クロナゼパムは抗不安作用が強いことから、睡眠障害の改善も期待できる。また、抗うつ薬、抗ヒスタミン薬などがむずむず脚症候群の症状を悪化させるとの報告があり、これらを休薬してみるのもひとつの手かもしれない。

夫が優しくなったと…

 Tさんの訴えから、「ふむふむ、なるほどね。おそらくはむずむず脚症候群でしょう。ただ、検査で診断がつくものではないので、まずはこの薬を飲んでみませんか」と、レグナイトの処方から治療を開始した。2週間後の受診時、Tさんは「むずむずが半分くらいになって眠れています。なによりも夫が優しくなったんです」と報告してくれた。

 なお、むずむず脚症候群とよく似た症状をきたす病気に、「痛む脚と動く 足趾(そくし) 症候群」がある。下 (たい) から足のやけるような、うずくような持続的な痛みと足指をくねらせるような不随意運動が特徴だが、睡眠中には不随意運動が止まるため、それが鑑別のポイントとなる。また、「こむらがえりかな?」と思われることも多いが、こむらがえりの場合には、ふくらはぎの筋肉に触れると硬くなっているはずである。むずむず脚症候群では、筋肉には何の変化もなく、硬くなったりもしない。(森本昌宏 麻酔科医)

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森本 昌宏(もりもと・まさひろ)

 大阪なんばクリニック本部長・痛みの治療センター長。
 1989年、大阪医科大学大学院修了。医学博士。同大学講師などを経て、2010年、近畿大学医学部麻酔科教授。19年4月から現職。日本ペインクリニック学会専門医、名誉会員。日本東洋医学会指導医。著書に『ペインクリニックと東洋医学』『痛いところに手が届く本』ほか多数。現在、大阪市北区の祐斎堂森本クリニックでも診療中。

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