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ゲーム依存症 低年齢化進む…小4男子の割合高いという調査結果も

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 オンラインゲームなどにのめり込み、日常生活に深刻な影響が出る「ゲーム依存症(ゲーム障害)」。世界保健機関(WHO)が2019年、精神疾患として認定した病気です。中高生に多いとされてきましたが、近年は低年齢化が進んでいる可能性も指摘されています。(塩島祐子)

小学生増える

 WHOの診断基準の作成に関わった国立病院機構久里浜医療センター(神奈川県)の名誉院長、樋口進さんによると、ゲーム依存症と診断されるのは〈1〉ゲームの時間をコントロールできない〈2〉ほかの日常の関心事や活動よりもゲームを優先〈3〉問題が起きているにもかかわらず、ゲームを続ける〈4〉学業や仕事などの日常生活に支障を来している――が全て該当し、1年以上続いたり短期間でも症状が重かったりした場合です。

 人間の脳には、社会性や理性などをつかさどる「前頭前野」や、本能や感情をつかさどる「大脳辺縁系」があります。通常は前頭前野の働きが優勢なため、理性的な判断ができます。しかし、依存状態になった脳では、大脳辺縁系の働きの方が強くなります。前頭前野の機能が低下し、感情や欲望を制御しにくくなると考えられています。

 特に子どもの脳は発達段階にあり前頭前野の働きが元々弱く、依存状態に陥りやすいとされます。厚生労働省研究班による17年度の調査で、ゲームやインターネットに依存しているとみられる中高生は約93万人と推計されています。

 患者の低年齢化もうかがえます。同センターのネット依存専門外来の臨床心理士、三原聡子さんは「ここ数年、小学生の受診が増えています。新型コロナウイルスの感染拡大で、遊び方が制限された影響かもしれません」と説明します。

 横浜市は昨年11月、市立学校に通う小学4年~中学3年の計4164人が回答した実態調査の結果を公表しました。オンラインゲームを経験した児童・生徒のうち12%にゲーム依存傾向がみられ、最も割合が高かったのは小4男子の23%でした。

重症なら入院も

 治療は、医師の問診や臨床心理士によるカウンセリングが中心です。症状が重ければ、ゲームとの接触を断ち切るために入院することもあります。

 神奈川県の男子大学生(20)は高校時代、人間関係に悩み、スマートフォンのゲームにのめり込みました。学校を休み、多い日は1日13時間ほど費やしたといい、「好成績をあげると、ネット上でほめてもらえた」と振り返ります。

 この男子学生は20年に同センターを受診し、カウンセリングで自分の行動を見直しました。医師と相談し、ゲームの時間を無理に減らすよりも、それ以外の時間を充実させることにしました。現在は大学の二つのサークルに入り、イベント企画に関わるなど積極的に活動しています。「仲間に恵まれて現実的なつながりが楽しいと思えるようになり、ゲームをする時間が減りました」と言います。

 樋口さんは「ネットやスマホは生活に深く浸透しており、完全に断つのは難しい。禁止ではなく、ゲームとの付き合い方をコントロールできるようにすることが大切です」と話しています。

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