健診で糖尿病疑い 遺伝心配
健診の結果、ヘモグロビンA1c(HbA1c)が6・5%で、糖尿病の疑いと指摘されました。亡くなった父も2型糖尿病で、50歳代後半から人工透析をし、片方の足を切断しました。私は今後どんな検査や治療をすればいいですか。(44歳女性)
普段の食事、運動習慣も影響
鈴木 亮 東京医大病院糖尿病・代謝・内分泌内科教授 (東京都新宿区)
HbA1cは、過去1~2か月の平均血糖値を反映するものです。6・5%以上だと糖尿病の疑いがあるため、医療機関で再検査が必要です。
確定診断には、血糖値を確認します。ブドウ糖を服用して血糖値の変化を調べることもあります。
2型糖尿病は、多くの場合無症状か症状が軽いので、診断時点で合併症を患っていることがあります。
代表的な合併症は、腎症や網膜症です。腎機能の低下によって尿に漏れ出るたんぱく質「アルブミン」の量を確認する尿検査や、眼科で眼底検査などを行って確認します。
親が2型糖尿病の場合、子の糖尿病リスクは約2倍といわれていますが、遺伝だけでなく、肥満や普段の食事内容、運動習慣が大きく影響します。
治療は、まず食事の量や内容を見直し、運動を習慣化するのが基本です。薬で血糖をコントロールする場合もあります。症状が進み、人工透析や足の 壊疽 に至ることを防ぐためには、血圧や体の脂質を良好に保ち、適正な体重を維持することが重要です。禁煙もしてください。
不安に思う気持ちはよくわかります。早くから治療に取り組むことで、健康を維持し、合併症を予防できます。お近くの内科で、定期的に血液検査をしてください。専門医は、日本糖尿病学会のホームページから検索できます。