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医療・健康・介護のコラム

[タレント 西村知美さん](上)トイレで自らお尻に注射…不妊治療と2度の流産を経験 仕事に打ち込むことを決めた時

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 ちょっぴりずれた発言が特徴的な「天然」キャラで人気の西村知美さんは、芸能活動を続けながら不妊治療に取り組んでいた時期があります。その後、自然妊娠で授かった一人娘の 咲々(ささ) さんは18歳です。壮絶だった芸能活動と不妊治療の両立について語ってくれました。(聞き手・山口千尋、撮影・小倉和徳)

地元に帰りたくても…「帰り方がわからない」

[タレント 西村知美さん](上)テレビ局のトイレで自らお尻に注射…不妊治療と2度の流産を経験 仕事に打ち込むことを決めた時

――1990年代に「天然」という言葉が出たばかりの頃、テレビ番組のクイズコーナーでとんちんかんな回答をする西村さんは、“元祖”天然女性タレントでしたね。

 私としては、まじめなこと、普通のことを言っているつもりなんですが、ちょっと勘違いをしちゃうところがあるんです。それを周囲の芸人の方が面白おかしく返してくださる。私の発言ではなく、その「返し」が面白いんですよね。芸人さんの腕に助けられている部分がものすごくあります。

――山口県出身。アイドル雑誌「Momoco」に写真が掲載され、第1回ミス・モモコグランプリに選ばれました。そして14歳で上京。親元を離れての生活は、大変だったのではないでしょうか。

 撮影、レコーディングと毎日忙しくて、ノルマをこなすだけで精いっぱいでした。仕事が楽しいと思えず、毎晩、家に帰って泣いていました。地元に帰ろうにも帰れない。だって、帰り方がわからないんです。どうやって飛行機の席を取ればいいのかわからなくて。当時、堀越高校に通っていましたが、学校での友人とのおしゃべりが唯一のオアシスでした。

――そんなつらい時期がどのくらい続いたのですか。

 デビューから2、3年した頃、三宅裕司さんの番組で「自由にしゃべっていいよ」と言われたんです。それまでは、ちゃんと台本通りに、事務所が考える「西村知美」を演じていました。三宅さんの言葉に、「それなら」とプライベートのことを話し始めたら止まらなくなってしまって。

 その時、初めて仕事を「面白い」と思えたんです。そんなことが、2、3度続くうちに、自分が180度変わってしまい、しゃべり魔になってしまいましたね。

「何もできないし、やりたいこともない」

――アイドル後の進むべき道は考えていましたか?

 20歳になると、みんな悩むんです。松田聖子さんのようにそのままアイドルを続けるのか、ヌードとかにも挑戦して女優としての道を進むのか。「自分は何ができるのか」と考えたら、何もできないし、望んで芸能界に入ったわけではないから、何がやりたいのかもわからない。そんな時に出演した明石家さんまさんの番組をきっかけに、バラエティー番組の出演が増えていきました。中でも「さんまのからくりTV」には22年間も出させていただいて、もう感謝、感謝です。

――元アイドルで「CHA-CHA」のメンバーだった西尾拓美さんと、97年に結婚しました。

 知り合った当時は主人に彼女がいたので、恋愛対象ではありませんでした。10年ほどは、ほかの人も加えて、一緒によく遊んでいました。ある時期、舞台の仕事に集中したくて、数か月ほど誘いを断っていたところ、主人には考えるところがあったみたいで、「大事な話がある」と言われ、いきなり「結婚してください」とプロポーズされました。

 昔のアルバムを見たら、ほとんどの写真に一緒に写っている。「共通の友達や思い出があるなら」と思い、結婚を決めました。プロポーズの1か月後には婚約会見と、スピード婚でしたね。

夫が「イカの研究をしたいと言ったらどうする?」

――交際期間0日のプロポーズ、結婚してからも仲良し夫婦だったのでは。

 いえいえ。お互いのことは知っていたけれど、やっぱり結婚と夫婦って別物。例えば、友達から「イカの研究したいんだよね」って言われた時は、「頑張ってね」と応援できますよね。でも、夫婦だったら「ちょっと待って」となります。「お仕事とか生活とか、どうするの?」と考えてしまいます。

――イカ?! そ、そうですね。応援するより現実的なことを考えてしまいますね。

 そういうことで、結婚当初はいつもけんかばかりでした。いつ別れてもおかしくないと周りにも言われていましたが、気づけば今年で銀婚式。一番、驚いているのは、私たちです。

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