医療大全
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認知症支援チーム<5>やりたいこと 絵で尋ねる

生活の希望を確認する際に、東京都世田谷区のチームが用いる資料。イラストで興味を引き出す。
「友人との交流」「読書」「園芸」……、さまざまな行動の選択肢がイラスト付きで書かれた紙が計6枚。
東京都世田谷区の認知症初期集中支援チームの作業療法士、村島久美子さんが、認知症やその疑いがある高齢者宅を訪問する時に持って行くアイテムだ。
何を大切に暮らしていきたいのか――。高齢者に希望を尋ねる際、この紙を示す。「イラストがあると、直感的に自分の興味があることを選ぶことができ、会話の糸口にもなるんです」と村島さんは言う。イラストを用いたコミュニケーションは、脳卒中などで言葉が発しづらくなった患者の作業療法でも用いられる。
昨年訪問した独り暮らしの80歳代女性は「やっぱり友だちとのおしゃべりね」と言い、迷うことなく、飲み物を手に談笑しているイラストが描かれた「友人との交流」を選んだ。次に「そのためには足腰も鍛えなきゃ」と「散歩」の絵を指さした。
女性は、初期段階の認知症と診断されたばかりだった。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、外出が減り、誰とも話さない日が増えたという。身の回りのことはできるが、最近は動くのが面倒で一日中寝間着で過ごすこともあるそうだ。
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