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アルコール消毒 ウイルスによっては効きにくいことも…手洗いの徹底が大事
Q この前、感染性胃腸炎になっちゃった。下痢や 嘔吐 でつらかったなあ。
ヨミドック 大変でしたね。手洗いがおろそかになっていませんでしたか?
Q たしかに、外出先であまり手を洗わなかったかも……。でも、しっかりアルコール消毒をしていましたよ。
ヨ アルコール消毒は、新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスには効果があります。一方で、感染性胃腸炎を引き起こすノロウイルスやロタウイルス、プール熱の原因になるアデノウイルスなどには効きにくいのです。
Q なぜ効きにくいの?
ヨ ウイルスには、表面を覆う「エンベロープ」という脂の膜があるものと、ないものがあります。
アルコールには、この膜を壊してウイルスを死滅させる働きがあるんです。新型コロナウイルスやインフルエンザウイルスは、エンベロープのあるウイルスです。
しかし、ノロウイルスなどはこの膜がなく、表面はたんぱく質の殻に覆われています。そのため、アルコール消毒によるダメージを受けにくいとされています。
Q どうすればいいの?
ヨ しっかりと手を洗いましょう。ウイルスを水で洗い流すことが大切です。
手や指についたウイルスの数は、流水で15秒すすぐと100分の1に、ハンドソープやせっけんで10秒もみ洗いし、流水で15秒すすぐと1万分の1に減らせます。手洗いは、ウイルスの膜のあるなしにかかわらず有効です。
Q そんなに効果が……。
ヨ 洗い方のポイントも押さえておきましょう。
ハンドソープなどをよく泡立て、手のひらや甲だけでなく、指の間や指先、爪の間も念入りに洗います。親指と手のひらをねじり洗いし、最後に手首まで洗うとよいでしょう。水でしっかりと洗い流したら、清潔なタオルなどでよく拭いて乾かしてください。
Q やってみよう。
ヨ 食事やおやつの前、料理をする時など、食べ物に触る際や、トイレから出る時には念入りに洗ってください。
厚生労働省のホームページでは、手洗いの方法を動画でも紹介しています。アルコール消毒が定着したからといって、手洗いを忘れないようにしたいですね。
(塩島祐子/取材協力=片山和彦・北里大教授、厚生労働省結核感染症課)
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