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医療・健康・介護のニュース・解説

和菓子、日本酒、フルコース…進化する介護食 楽しみと意欲をいつまでも

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 「介護食」と聞いて、どのようなものを思い浮かべるだろうか。かむ、のみ込む機能が衰えた高齢者が 誤嚥(ごえん) などをすることなく安全に食べられるよう、ペースト状にしたり、とろみをつけたりした食事だが、「おいしそう」という印象を持っている人は少ないかもしれない。しかし、超高齢社会となり、介護食に求められるものも変わってきた。見た目も味も、食べる楽しさも……。ニーズに応える様々な試みが進んでいる。

テーブルを囲む人たちと同じ食材・味を

和菓子、日本酒、フルコース…進化する介護食 楽しみと意欲をいつまでも

信州サーモンのスモークオイルコンフィフヌイユのムースリーヌ(東京ステーションホテル提供)

 東京駅丸の内駅舎内ある東京ステーションホテルでは かむ力やのみ込む機能が衰えた利用客向けのフランス料理を提供している。基本的にフルコースで、魚料理も肉料理も舌でつぶせる硬さやムースにし、付け合わせの野菜のピューレやソースを色鮮やかに盛り付ける。

 石原雅弘総料理長が系列の他のホテルに在籍していた2008年、会食を翌日に控えたホストの客から、「ゲストの一人が、おかゆやスクランブルエッグのようなものしか食べられないようで……」と相談されたのがきっかけで、東京ステーションホテルに移ってからも、「お客さまの希望があれば、どんなことでも対応したい」と、工夫を積み重ねてきた。

 大事にしていることは、一緒にテーブルを囲む人たちと、できるだけ同じ食材と味を提供すること。事前に相談があれば、塩分、カロリー制限にも対応している。

この10年で大きく変わった介護食

和菓子、日本酒、フルコース…進化する介護食 楽しみと意欲をいつまでも

菊谷院長

和菓子、日本酒、フルコース…進化する介護食 楽しみと意欲をいつまでも

かむ力の段階別に並べられた市販の介護食(日本歯科大口腔リハビリテーション多摩クリニック内のショップ)

 年を取って介護が必要になっても、これまでと同じように、家族や友人とともに食事を楽しみたい。多くの人がそう願うだろう。「介護が必要な人と食をめぐる環境は、この10年で大きく変わった」と言うのは、日本歯科大 口腔(こうくう) リハビリテーション多摩クリニックの菊谷武院長だ。

 「かつては、入院中にやわらか食やとろみのある食事を食べていた患者さんが、食事に関する指導もなしに施設や在宅介護へと移行してくことがありましたが、現在では、退院の前に管理栄養士が食事について指導するようになっています。飲食店で介護が必要な人向けのメニューを提供する例が増えたほか、各食品メーカーも味や見た目のいい介護食を開発し、ドラッグストアやスーパーで普通に買えるようになりました」

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