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東ちづる 山あり谷ありダイアリー

医療・健康・介護のコラム

長谷川博史さんを悼む…LGBTQ活動家にして、伝説のドラァグクイーンで詩人 その姿は映画の中で永遠に

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皆が集まったのに…長谷川さんはいない

長谷川博史さんを悼む…伝説のLGBTQ活動家にして、ドラァグクイーンで詩人 その姿は映画の中で永遠に

Get in touch主催のアート展に駆けつけてくれた長谷川博史さん(右)と筆者

 長谷川博史さんが3月に急逝されたことを、私は受け入れられないでいました。

 HIV感染、糖尿病で週3回の透析、片足は義足という体でも、活動する姿はエネルギーにあふれていましたから。それが、ある日の朝、突然 訃報(ふほう) が飛び込んでくるなんて。享年69歳。今年は70歳のお祝いができるはずでした。悲しくて仕方がないのに、彼の死が全くピンとこないというか、信じたくないというか……。だけど、4月22~24日に開催された「TRP 東京レインボープライド」で、「長谷川さんはもういないんだ」と実感したのです。

 長谷川博史さんは、ゲイ雑誌「バディ」や「G-men」の創刊者、日本HIV陽性者ネットワーク「ジャンププラス」の創設者などとして活躍され、新宿二丁目にあるHIV/エイズをはじめとしたセクシュアルヘルスの情報センター「akta」などの全国のコミュニティーセンターの活動も支援されてきた方です。LGBTQ関連の活動家で、長谷川さんを知らない人はいないでしょう。長谷川さんのことは、2016年、ヨミドクター編集長の記事にもなっていました。

 「TRP」はコロナ感染防止のため入場制限されているとはいえ、3年ぶりのリアル開催とあって、大勢の人が集いました。私が代表を務める一般社団法人Get in touchも例年通りブースを出展。「愛の先進国になろう」という横断幕を、テントにデカデカと飾って!

 お久しぶりの活動仲間や友人知人はもちろん、はじめましての人とも、「ハッピープライド!」と笑顔で声を掛け合います。会場の代々木公園は、セクシュアルマイノリティーもマジョリティーもまぜこぜ、国籍もまぜこぜ、みんな地球人~という、誰の目も気にしなくていい、全く分断されない安心安全な居場所になるのです。

 この3日間、Get in touch のブースにお越しくださるたくさんの人たちから、思いがけないメッセージをたくさんいただきました。「『私はワタシ over the rainbow』を見て、長谷川さんを知りました」「長谷川さんを映画で残してくれて、ありがとうございます」「長谷川さんはあの映画の中で生き続けますね」「長谷川さんをしのんで『私はワタシ』を上映したいです」「若いセクマイ(セクシュアルマイノリティー)に長谷川さんのことを伝えたいです。上映会を開く方法を教えてください」などなど。泣きながらお話しされる方も少なくありませんでした。

 そして、「長谷川さんはよく、Getさんとちづるさんと出会えていなかったら、LGBTやHIVの活動だけの世界だった。『まぜこぜ』の皆とつながって、人生が豊かにおもしろくなったのよと、いろんな人に話していたんですよ」と聞かされ、涙が止まらなくなりました。

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東ちづる(あずま・ちづる)

俳優。 一般社団法人Get in touch代表。 広島県出身。会社員生活を経て芸能界へ。ドラマ出演や司会、講演、出版など幅広く活躍。骨髄バンク支援等のボランティアを29年間続けている。2012年、アートや音楽、映像、舞台等を通じて、誰もが自分らしく生きられる“まぜこぜの社会”を目指す一般社団法人 Get in touchを設立。記録映画「私はワタシ over the rainbow」、演劇プロジェクト「月夜のからくりハウス」(ともに動画をVimeoで配信中)などの企画・プロデュースを手がけ、自らも出演している。『東京2020NIPPONフェスティバル』のひとつとして世界に配信される「MAZEKOZEアイランドツアー」(無料配信中)の総合構成・演出・総指揮を担当。著書に、母との葛藤を乗り越えるまでの体験を綴った『〈私〉はなぜカウンセリングを受けたのか~「いい人、やめた!」母と娘の挑戦』、エッセー集『らいふ』など。

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